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資 料 4 第8次医療計画等に関する検討会の意見のとりまとめ (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32067.html
出典情報 社会保障審議会 医療保険部会(第164回 3/23)《厚生労働省》
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感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律の概要

令和4年
12月9日公布

改正の趣旨
新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症の発生及びまん延に備
えるため、国又は都道府県及び関係機関の連携協力による病床、外来医療及び医療人材並びに感染症対策物資の確保の強化、保健所や検査等の体制の強化、情報
基盤の整備、機動的なワクチン接種の実施、水際対策の実効性の確保等の措置を講ずる。
改正の概要
1.感染症発生・まん延時における保健・医療提供体制の整備等【感染症法、地域保健法、健康保険法、医療法等】
(1)感染症対応の医療機関による確実な医療の提供

① 都道府県が定める予防計画等に沿って、都道府県等と医療機関等の間で、病床、発熱外来、自宅療養者等(高齢者施設等の入所者を含む)への医療の確保
等に関する協定を締結する仕組みを法定化する。加えて、公立・公的医療機関等、特定機能病院、地域医療支援病院に感染症発生・まん延時に担うべき医療
提供を義務付ける。あわせて、保険医療機関等は感染症医療の実施に協力するものとする。また、都道府県等は医療関係団体に協力要請できることとする。
② 初動対応等を行う協定締結医療機関について流行前と同水準の医療の確保を可能とする措置(流行初期医療確保措置)を導入する(その費用については、公費
とともに、保険としても負担)。また、協定履行状況の公表や、協定に沿った対応をしない医療機関等への指示・公表等を行うことができることとする。

(2)自宅・宿泊療養者等への医療や支援の確保

① 自宅療養者等への健康観察の医療機関等への委託を法定化する。健康観察や食事の提供等の生活支援について、都道府県が市町村に協力を求めることとし、
都道府県と市町村間の情報共有を進めることとする。さらに、宿泊施設の確保のための協定を締結することとする。
② 外来・在宅医療について、患者の自己負担分を公費が負担する仕組み(公費負担医療)を創設する。

(3)医療人材派遣等の調整の仕組みの整備


医療人材について、国による広域派遣の仕組みやDMAT等の養成・登録の仕組み等を整備する。

(4)保健所の体制機能や地域の関係者間の連携強化

○ 都道府県と保健所設置市・特別区その他関係者で構成する連携協議会を創設するとともに、緊急時の入院勧告措置について都道府県知事の指示権限を創設
する。保健所業務を支援する保健師等の専門家(IHEAT)や専門的な調査研究、試験検査等のための体制(地方衛生研究所等)の整備等を法定化する。

(5)情報基盤の整備


医療機関の発生届等の電磁的方法による入力を努力義務化(一部医療機関は義務化)し、レセプト情報等との連結分析・第三者提供の仕組みを整備する。

(6)物資の確保


医薬品、医療機器、個人防護具等の確保のため、緊急時に国から事業者へ生産要請・指示、必要な支援等を行う枠組みを整備する。

(7)費用負担

○ 医療機関等との協定実施のために都道府県等が支弁する費用は国がその3/4を補助する等、新たに創設する事務に関し都道府県等で生じる費用は国が法律
に基づきその一定割合を適切に負担することとする。

2.機動的なワクチン接種に関する体制の整備等【予防接種法、特措法等】



国から都道府県・市町村に指示する新たな臨時接種類型や損失補償契約を締結できる枠組み、個人番号カードで接種対象者を確認する仕組み等を導入する。
感染症発生・まん延時に厚生労働大臣及び都道府県知事の要請により医師・看護師等以外の一部の者が検体採取やワクチン接種を行う枠組みを整備する。

3.水際対策の実効性の確保【検疫法等】


検疫所長が、入国者に対し、居宅等での待機を指示し、待機状況について報告を求める(罰則付き)ことができることとする。



このほか、医療法の平成30年改正の際に手当する必要があった同法第6条の5第4項の規定等について所要の規定の整備を行う。

施行期日

令和6年4月1日(ただし、1の⑷及び2の①の一部は公布日、1の⑷及び⑸の一部は令和5年4月1日、1の⑵の① の一部及び3は公布日から10日を経過した日等)

(前 提) 想 定する新 興感 染 症と そ の対 応 の 方 向性
想定する新興感染症
対応する新興感染症(注)は、感染症法に定める新型インフルエンザ等感染症(※)、指定感染症及び新感染症を基
本とする。医療計画の策定にあたっては、感染症に関する国内外の最新の知見を踏まえつつ、一定の想定を置くこ
ととするが、まずは現に対応しており、これまでの対応の教訓を生かすことができる新型コロナへの対応を念頭に
取り組む。



(注)下記の定義を踏まえると、通称で「新興・再興感染症」とする場合もあるが、本資料ではそれと同義のものとして単に「新興感染症」としている。
(※)感染症法上、新型インフルエンザ、再興型インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、再興型コロナウイルス感染症が定義されている。

実際に発生・まん延した感染症が、事前の想定とは大きく異なる事態となった場合は、その感染症の特性に合わ
せて協定の内容を見直すなど、実際の状況に応じた機動的な対応を行う。
「事前の想定とは大きく異なる事態」の判断については、新型コロナへの対応(株の変異等の都度、政府方針を
提示)を参考に、国として、国内外の最新の知見や、現場の状況を把握しながら、適切に判断し、周知していく。



新興感染症発生・まん延時(初期)から一定期間経過後の対応
○ 流行初期には、各都道府県知事の判断を契機として、特別な協定を締結した医療機関(流行初期医療確保措置付
き協定締結医療機関)を中心に対応することとなり、一定期間(3箇月を基本として必要最小限の期間を想定(※))
経過後以降は、協定の内容に沿って順次、全ての協定締結医療機関が対応する。
(注)国内での感染発生早期(感染症法に基づく厚生労働大臣による発生の公表前の段階及び公表後の流行初期の直後)は、現行の感
染症指定医療機関で対応することを想定。

(※)令和4年11月24日参議院厚生労働委員会附帯決議
五、流行初期医療確保措置は、その費用の一部に保険料が充当される例外的かつ限定的な措置であり、実施される期間について、保
険者等の負担に鑑み、速やかな補助金、診療報酬の上乗せにより、3箇月を基本として必要最小限の期間とすること。

流行状況(フェーズ)に応じた対応
新型コロナ対応では、国から各都道府県に対し、一般フェーズと緊急フェーズ(通常診療の相当程度の制限あ
り)のフェーズ設定の考え方を通知で示したうえで、各県それぞれで、感染状況のフェーズを設定し、フェーズご
とに必要な病床数等を確保する計画を立てている。
新興感染症対応においても、基本的に、一定期間(3箇月を基本として必要最小限の期間を想定)経過後から、
新型コロナ対応と同様のフェーズの考え方に沿って対応することとし、国として、通知において、同様の考え方を
示していく。
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