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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (26 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●4 重症度分類とマネジメント
〇 高齢者では,うっ血性心不全,誤嚥性肺炎,二次性細菌性肺炎が呼吸不全の原因となること
に留意する.これらが呼吸不全の主な原因の場合,ステロイド投与は推奨されない.
〇 細菌性肺炎,COVID-19 関連肺アスペルギルス症,ARDS,敗血症,心筋障害,急性腎障害,
消化管出血の併発にも注意する.
酸素療法のポイント
〇 呼吸不全の原因を推測するため,酸素投与前に動脈血液ガス検査(PaO2,PaCO2)を
行う.また,必要に応じてネーザルハイフロー(HFNC:High-Flow Nasal Cannula)
,
非侵襲的換気〔NIV: noninvasive ventilation, continuous positive pressure ventilation
(CPAP)/noninvasive positive pressure ventilation(NPPV)〕,人工呼吸器や ECMO
の医療体制の整う施設への転院を考慮する.
〇 通常の場合,O2 5 L/min までの経鼻カニュラあるいは O2 5 L/min まで酸素マスクに
より,SpO2 ≧ 93 % を維持する.
*注 : 経鼻カニュラ使用時はエアロゾル発生抑制のため,サージカルマスクを着用させる.
〇 酸素マスクによる O2 投与でも SpO2 ≧ 93 % を維持できなくなった場合,HFNC,NIV
(CPAP/NPPV)を使用する.HFNC,NIV が困難な医療機関は一時的にリザーバー付き
マスク(10 ~ 15 L/min)の使用も可能である.CPAP/NPPV の使用に関しては,HFNC
では呼気終末圧付加が不十分な患者もしくは肺胞低換気がある患者に対して使用が考慮
されるが,HFNC 含めて,いずれも治療に協力可能な患者が適応となる.ステロイド薬
やレムデシビルなどの効果をみつつ,臨床症状の変化に注意を払い,改善がなく,酸素
化が維持できないときには,気管挿管・侵襲的人工呼吸への移行を考慮する(図 4-3)
.
*注:この段階では,HFNC,NIV 使用時には必要に応じて覚醒下腹臥位療法などの
体位管理が考慮される.気管挿管のタイミングを逸すると治療成績を悪化させる場合
があることに十分留意する.ROX index(SpO2/FiO2/RR)などを参考に気管挿管のタ
イミングを逸さないように留意する.
感染性がある場合,呼気ポートのないマスク(Non-Vented mask)および呼気ポー
トとマスクとの間に HEPA フィルター,人工鼻を装着可能な CPAP/NPPV 機器を用い
て治療を行う.
マスクフィットが悪いとマスク周囲から漏れが生じることや,吸気相で圧が上昇する
NPPV は CPAP よりエアロゾル飛散リスクが大きくなる点など,環境汚染に十分注意
する必要がある.ヘルメットタイプのインターフェイスの使用に関しては,使用経験が
豊富な施設が望ましい.いずれの機器に対しても,内部汚染の管理にも注意する.
在宅で CPAP 使用中の睡眠時無呼吸患者は 70 万人以上存在するが,低酸素血症が
なく,在宅医療可能な場合は,症状などにより使用が不可能でなければ睡眠時には CPAP
を継続使用する.感染性がある場合,個室にて,既述のように Non-Vented mask やフィ
ルターなどが装着可能な CPAP 機器を用いて治療を継続する.もし,Non-Vented mask,
フィルターなどが調達できないときには,使用中には他人が入らないようにして,換気
に留意しつつ個室で使用する.
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〇 高齢者では,うっ血性心不全,誤嚥性肺炎,二次性細菌性肺炎が呼吸不全の原因となること
に留意する.これらが呼吸不全の主な原因の場合,ステロイド投与は推奨されない.
〇 細菌性肺炎,COVID-19 関連肺アスペルギルス症,ARDS,敗血症,心筋障害,急性腎障害,
消化管出血の併発にも注意する.
酸素療法のポイント
〇 呼吸不全の原因を推測するため,酸素投与前に動脈血液ガス検査(PaO2,PaCO2)を
行う.また,必要に応じてネーザルハイフロー(HFNC:High-Flow Nasal Cannula)
,
非侵襲的換気〔NIV: noninvasive ventilation, continuous positive pressure ventilation
(CPAP)/noninvasive positive pressure ventilation(NPPV)〕,人工呼吸器や ECMO
の医療体制の整う施設への転院を考慮する.
〇 通常の場合,O2 5 L/min までの経鼻カニュラあるいは O2 5 L/min まで酸素マスクに
より,SpO2 ≧ 93 % を維持する.
*注 : 経鼻カニュラ使用時はエアロゾル発生抑制のため,サージカルマスクを着用させる.
〇 酸素マスクによる O2 投与でも SpO2 ≧ 93 % を維持できなくなった場合,HFNC,NIV
(CPAP/NPPV)を使用する.HFNC,NIV が困難な医療機関は一時的にリザーバー付き
マスク(10 ~ 15 L/min)の使用も可能である.CPAP/NPPV の使用に関しては,HFNC
では呼気終末圧付加が不十分な患者もしくは肺胞低換気がある患者に対して使用が考慮
されるが,HFNC 含めて,いずれも治療に協力可能な患者が適応となる.ステロイド薬
やレムデシビルなどの効果をみつつ,臨床症状の変化に注意を払い,改善がなく,酸素
化が維持できないときには,気管挿管・侵襲的人工呼吸への移行を考慮する(図 4-3)
.
*注:この段階では,HFNC,NIV 使用時には必要に応じて覚醒下腹臥位療法などの
体位管理が考慮される.気管挿管のタイミングを逸すると治療成績を悪化させる場合
があることに十分留意する.ROX index(SpO2/FiO2/RR)などを参考に気管挿管のタ
イミングを逸さないように留意する.
感染性がある場合,呼気ポートのないマスク(Non-Vented mask)および呼気ポー
トとマスクとの間に HEPA フィルター,人工鼻を装着可能な CPAP/NPPV 機器を用い
て治療を行う.
マスクフィットが悪いとマスク周囲から漏れが生じることや,吸気相で圧が上昇する
NPPV は CPAP よりエアロゾル飛散リスクが大きくなる点など,環境汚染に十分注意
する必要がある.ヘルメットタイプのインターフェイスの使用に関しては,使用経験が
豊富な施設が望ましい.いずれの機器に対しても,内部汚染の管理にも注意する.
在宅で CPAP 使用中の睡眠時無呼吸患者は 70 万人以上存在するが,低酸素血症が
なく,在宅医療可能な場合は,症状などにより使用が不可能でなければ睡眠時には CPAP
を継続使用する.感染性がある場合,個室にて,既述のように Non-Vented mask やフィ
ルターなどが装着可能な CPAP 機器を用いて治療を継続する.もし,Non-Vented mask,
フィルターなどが調達できないときには,使用中には他人が入らないようにして,換気
に留意しつつ個室で使用する.
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