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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (37 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●5 薬物療法

薬物療法

【注意】本章の薬剤に関する情報は改訂されることがあります.処方に当たっては,最新の添付文書
を参照するなど,細心の注意を払うようにしてください.
COVID-19 に対する治療薬は開発が進められているところである.薬物療法を検討する際には,
日本感染症学会がまとめる『COVID-19 に対する薬物治療の考え方』等も参照することが望まし
い.有効性の確立した承認薬も増加しており,これらの薬剤を重症化リスク・重症度等に応じて
適切に使用することは,患者の予後改善と医療提供体制の確保の点からも重要と考えられる.

1 抗ウイルス薬
レムデシビル

商品名:ベクルリー点滴静注用 100 mg

RNA 合成酵素阻害薬
2020.5.7 特例承認,2021.1.7 適応拡大,2021.8.12 保険適用,
2021.10.18 一般流通開始,2022.3.18 適応拡大
禁忌 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

☞ レムデシビル(医薬品医療機器総合機構 HP)

レムデシビルは RNA ウイルスに広く活性を示す RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ阻害薬である.

中等症・重症の COVID-19 患者を対象とした 5 つのランダム化比較試験の結果から,レム
デシビルはすでに人工呼吸や高流量の酸素投与に至った重症例では効果が期待できない可能性
が高いが,そこまでに至らない症例では症状の早期改善などの有効性が見込まれる.
投与期間に関しては,挿管例を除く低酸素血症のある肺炎患者では 5 日間治療群と 10 日間

治療群とでは有効性・副作用に差がなかったことなどから,原則として 5 日間の投与が推奨さ
れるが,個々の患者に応じた判断を行う.
また,重症化リスク因子のある発症 7 日以内の非入院患者(軽症・中等症 I に相当)を対象

に行われたランダム化比較試験(PINETREE)において,レムデシビルを 3 日間投与した治療
群では,プラセボ群と比較して COVID-19 に関連した入院または死亡を 87%減少させた(表
5-1)
.この結果を受けて,重症化リスク因子を有するなど,本剤の投与が必要と考えられる軽
症患者へ適応拡大された(2022 年 3 月)


投与方法(用法・用量)
〔成人および体重 40 kg 以上の小児〕レムデシビルとして,投与初日に 200 mg を,投与
2 日目以降は 100 mg を 1 日 1 回点滴静注する.
〔体重 3.5 kg 以上 40 kg 未満の小児〕レムデシビルとして,投与初日に 5 mg/kg を,投
与 2 日目以降は 2.5 mg/kg を 1 日 1 回点滴静注する.
・生理食塩液に添加し,30 分 ~ 120 分かけて点滴静注すること.
・SARS-CoV-2 による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始し,3 日目まで投
与する.ただし,SARS-CoV-2 による肺炎を有する患者では,目安として,5 日目まで
投与し,症状の改善が認められない場合には 10 日目まで投与する.
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