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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (28 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●4 重症度分類とマネジメント
4 集中治療
○ SARS-CoV-2 による肺炎にはウイルス性肺炎と ARDS に移行したものがみられる.
○ いずれも高めの PEEP を要するが,呼吸療法や鎮静の対応が異なる.
○ 個々の患者に応じた治療が重要で,集中治療の専門知識と監視体制が不可欠である.
○ オミクロンに置き換わって以降,肺以外の臓器障害により集中治療を要する患者がみ
られる.
1
気管挿管手技
急速に呼吸状態が悪化することに留意し,気道管理について幅広い経験をもった手技者(救
急専門医,集中治療専門医など)をあらかじめ治療チームに含める.さらに,気管挿管はエア
ロゾルが発生する手技であることに留意し,フェイスシールドあるいはゴーグル装着に加えて
空気感染予防策(N95 マスク装着)が必要である.また,エアロゾル感染のリスクを減らすた
めに,前酸素化に引き続き,鎮静薬,鎮痛薬および筋弛緩薬をほぼ同時に連続投与し,バッグ
マスク換気は行わない迅速導入気管挿管(rapid sequence induction:RSI)が選択され,
さらに,
直視下での挿管に比べ患者との距離が保て,口腔内を直接のぞき込まずにモニター画面を見て
挿管手技が行えるビデオ喉頭鏡の使用を考慮する.
2
COVID-19 重症患者への人工呼吸戦略
a )基本戦略
・ARDS か判定した上で,挿管人工呼吸管理を行う
・地域の医療提供体制に支障がない限り,周囲への感染拡大を最小限とする呼吸療法を実施
する
b )環境への影響に配慮した呼吸療法の選択
・環境に配慮した上で,患者の酸素需要に応じた酸素療法を選択する
・人工呼吸器のガス出入口にバクテリアフィルターを使用する
・人工呼吸回路の加温加湿には人工鼻あるいはフィルター機能付き人工鼻を使用する
・気管吸引では閉鎖式システムを使用する
・エアロゾル発生リスクの高い作業は,適切な個人防護具を考慮した上で陰圧環境で行う
c )ARDS でない場合の人工呼吸器の使い方
・低酸素血症は FiO2 の 上昇で対応し,必要最低限の PEEP を設定する
・リクルートメントは必要ない
・浅い鎮静管理を行う
・腹臥位換気は上記に反応しない場合に実施する
d )ARDS の場合の人工呼吸器の使い方
・肺保護戦略を用いる
・挿管後は深鎮静にする
・より高い PEEP(10 〜 14 cmH2O)を使う
・人工呼吸療法に抵抗性の場合は,腹臥位療法が推奨される
・さらに治療抵抗性の場合は ECMO も考慮する
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4 集中治療
○ SARS-CoV-2 による肺炎にはウイルス性肺炎と ARDS に移行したものがみられる.
○ いずれも高めの PEEP を要するが,呼吸療法や鎮静の対応が異なる.
○ 個々の患者に応じた治療が重要で,集中治療の専門知識と監視体制が不可欠である.
○ オミクロンに置き換わって以降,肺以外の臓器障害により集中治療を要する患者がみ
られる.
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気管挿管手技
急速に呼吸状態が悪化することに留意し,気道管理について幅広い経験をもった手技者(救
急専門医,集中治療専門医など)をあらかじめ治療チームに含める.さらに,気管挿管はエア
ロゾルが発生する手技であることに留意し,フェイスシールドあるいはゴーグル装着に加えて
空気感染予防策(N95 マスク装着)が必要である.また,エアロゾル感染のリスクを減らすた
めに,前酸素化に引き続き,鎮静薬,鎮痛薬および筋弛緩薬をほぼ同時に連続投与し,バッグ
マスク換気は行わない迅速導入気管挿管(rapid sequence induction:RSI)が選択され,
さらに,
直視下での挿管に比べ患者との距離が保て,口腔内を直接のぞき込まずにモニター画面を見て
挿管手技が行えるビデオ喉頭鏡の使用を考慮する.
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COVID-19 重症患者への人工呼吸戦略
a )基本戦略
・ARDS か判定した上で,挿管人工呼吸管理を行う
・地域の医療提供体制に支障がない限り,周囲への感染拡大を最小限とする呼吸療法を実施
する
b )環境への影響に配慮した呼吸療法の選択
・環境に配慮した上で,患者の酸素需要に応じた酸素療法を選択する
・人工呼吸器のガス出入口にバクテリアフィルターを使用する
・人工呼吸回路の加温加湿には人工鼻あるいはフィルター機能付き人工鼻を使用する
・気管吸引では閉鎖式システムを使用する
・エアロゾル発生リスクの高い作業は,適切な個人防護具を考慮した上で陰圧環境で行う
c )ARDS でない場合の人工呼吸器の使い方
・低酸素血症は FiO2 の 上昇で対応し,必要最低限の PEEP を設定する
・リクルートメントは必要ない
・浅い鎮静管理を行う
・腹臥位換気は上記に反応しない場合に実施する
d )ARDS の場合の人工呼吸器の使い方
・肺保護戦略を用いる
・挿管後は深鎮静にする
・より高い PEEP(10 〜 14 cmH2O)を使う
・人工呼吸療法に抵抗性の場合は,腹臥位療法が推奨される
・さらに治療抵抗性の場合は ECMO も考慮する
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