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【参考1】新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版 (46 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 10.0 版」の 周知について(8/21付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 10.0 版 ●5 薬物療法

【外来診療における抗ウイルス薬の選択】

入院を要しない重症化リスク因子を有する COVID-19 患者に対する重症化予防効果が,レ
ムデシビル,
モルヌピラビル,ニルマトレルビル/リトナビルの3剤に認められている.ただし,
有効性の根拠となった臨床試験はオミクロンに置き換わる前にワクチン未接種者を対象に実施
されたものである(表 5-1).ワクチンが普及したオミクロン流行期においても,これらの薬剤
に同様の効果があることが報告されるようになってきた(表 5-2)
.病状の進行が予期される重
症化リスクの高い患者に対して,これらの抗ウイルス薬をできるだけ早期に使用することは予
後の改善に役立つと考えられる.

オミクロンでは毒力が低下し,ワクチンも普及していることから,重症化予防効果を証明す
るには大規模な臨床試験が必要となっている.このため,観察研究を主体としたエビデンスに
基づき,WHO や米国 NIH ガイドラインは抗ウイルス薬の推奨度に差をつけるようになってい
る.また,2023 年 6 月 21 日,モルヌピラビルの開発企業は欧州医薬品庁(EMA)に対して
承認申請を取り下げた.

〈入院を要しない高齢および基礎疾患のある COVID-19 患者に対する抗ウイルス薬の推奨度〉
レムデシビル

モルヌピラビル

ニルマトレルビル/リトナビル

世界保健機関(2023 年 1 月)

条件付き推奨

弱い推奨

強い推奨

米国 NIH(2023 年 4 月)

中等度の推奨

弱い推奨

強い推奨

なお,エンシトレルビルが緊急承認を受ける根拠となった臨床試験は重症化予防効果を評価
項目としていない(表 5-2).また,罹患後症状に対するこれらの抗ウイルス薬の有効性につい
ては今後の研究が待たれる.
成人の外来診療における抗ウイルス薬の選択(本手引き p.24 の再掲)
モルヌピラビル

レムデシビル

発症から5日以内

発症から7日以内

2

(禁忌)
本剤の成分に過敏症

(禁忌)
本剤の成分に過敏症
妊婦・妊娠可能女性

1

発症から
3〜7日以内
かつ
病状の進行が
予期される

① 高度な腎機能障害または
併用薬が禁忌に該当する
ため,ニルマトレルビル
/リトナビルが使用で
きない場合
② 通院による点滴治療が困
難なため,レムデシビル
が使用できない場合
③ 高熱・呼吸困難・強い倦
怠感/咳/咽頭痛などが
ある場合

ニルマトレルビル/
リトナビル

軽症〜中等症Ⅰ
かつ
自宅療養可能

発症から5日以内

(禁忌)
本剤の成分に過敏症
高度な腎機能障害
特定の薬剤を投与中




Yes

重症化リスク



No

エンシトレルビル
発症から3日以内

対症療法

対症療法

〈参考〉
・NIH. COVID-19 treatment guidelines, 21 July 2023.
・WHO. Therapeutics and COVID-19: living guideline, 13 Jan 2023.
・日本感染症学会.COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第 15.1 版 , 14 Feb 2023.

46

3

(禁忌)
本剤の成分に過敏症
妊婦・妊娠可能女性
特定の薬剤を投与中
腎または肝機能障害+
コルヒチンを投与中