よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-3(参考資料1) 日本パブリックアフェアーズ協会 御提出資料 (11 ページ)

公開元URL https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2310_04medical/231211/medical03_agenda.html
出典情報 規制改革推進会議 健康・医療・介護ワーキング・グループ(第3回 12/11)《内閣府》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

第 2 章 セルフメディケーションの実態
2-1. セルフメディケーションの現状
近年、政府はセルフメディケーションの推進に積極的な姿勢を見せている。
まず「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」(2013 年 6 月 14 日発表)には『どこでも簡単に
サービスを受けられる仕組みを作り、自己健康管理を進める「セルフメディケーション」
等を実現する』との記述が見られ、薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、一般用
医薬品等の適正な使用に関する助言や健康に関する相談、情報提供を行う等、セルフメデ
ィケーションの推進のために薬局・薬剤師の活用を促進する」とされた 17。またその翌年
に発表された「日本再興戦略改訂 2014-未来への挑戦-」(2014 年 6 月 24 日発表)で
は、「セルフメディケーションの推進に向け、医薬品(検査薬を含む)の医療用から一般
用への転用(スイッチ OTC)を加速するため」の具体的な取り組みや改革の方向性が示さ
れた 18。この成長戦略に示された「海外のデータも参考にしつつ、企業の承認申請に応じ
て速やかな審査を行うことや、産業界・消費者等のより多様な主体からの意見が反映され
る仕組みを構築する」との方針が、2016 年にスタートした評価検討会議における議論に繋
がっている 18。評価検討会議は本来 OTC 医薬品の適切性や必要性を検証することにより、
消費者等の多様な主体からの意見を意思決定に反映するとともに、その検討過程の透明性
を確保して、スイッチ OTC 医薬品の開発予見性を向上させることを目指している。
その他、「経済財政運営と改革の基本方針 2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長の
エンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針 2022)(2022 年年 6 月7日閣議決
定)」にも「OTC 医薬品・OTC 検査薬の拡大に向けた検討等によるセルフメディケーション
の推進」との記載が見られ、OTC 医薬品とその積極活用によるセルフメディケーション推
進が政府の重要方針として明記された 19。
2-2.セルフメディケーション税制の現状
政府として期限的制約はあるものの「セルフメディケーション税制」を創設し、国民に
対してセルフメディケーションの認知向上と行動変容を促した。しかし、セルフメディケ
ーション税制の認知度や利用意向に関するデータ(図 4)を見れば、政府や日本 OTC 医薬
品協会等の関係各所によるセルフメディケーションおよびセルフメディケーション税制推
進の様々な取り組みで認知度自体は少しずつ向上しているものの、国民が行動変容したと
言えるほどセルフメディケーション税制の利用は浸透していない 20。この事実については 3
つの要因が考えられる。1 点目は、セルフメディケーション税制における申告のしにくさ
である。現行のセルフメディケーション税制の申告方法は対象薬剤を購入した際のレシー
トを自身で保管し、確定申告の際に申告するというアナログな方法を取っており、医療機
関に掛かった際の治療費などを対象とする医療費控除との併用はできない。2 点目は、OTC
医薬品を購入するよりも医療機関を受診し医療用医薬品を処方してもらう方が、患者の費
用負担が少なくなってしまうケースが存在することである。そのため、軽微な不調であっ
ても患者は医療機関を受診してしまい、セルフメディケーションによって軽微な不調に対
応するという意識が国民の中に醸成されにくくなっているのではないか。3 点目は、そも
そもセルフメディケーションを行うための OTC 医薬品の品目(薬効群)が不足しており、
国民が税制を活用するほどセルフメディケーションに取り組む環境が整えられていない。
実際に日本は国民皆保険制度の充実と医療機関へのフリーアクセスによって、患者が軽微
な不調でも医療機関を受診しやすい環境が整えられていることを背景に、全医薬品の中で
OTC 医薬品が占める割合は 6.9%と G7 の中でも最低である 21(図 5)。また、日本 OTC 医薬
11