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資料1-3(参考資料1) 日本パブリックアフェアーズ協会 御提出資料 (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2310_04medical/231211/medical03_agenda.html |
出典情報 | 規制改革推進会議 健康・医療・介護ワーキング・グループ(第3回 12/11)《内閣府》 |
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サマリー
コロナ禍が長期化し、医療へのアクセス制限が長期間課される中で「セルフメディケー
ション」が注目を集めている。また、日本の少子高齢化は簡単に解消する問題ではなく、
2040 年問題も危惧されている状況にある。そのため、このまま少子高齢化が進めば医療の
需要と供給のバランスが破綻することは自明である。このような背景から、政府はセルフ
メディケーションの推進に積極的な姿勢を見せており、セルフメディケーションの推進に
向けて「スイッチ OTC 医薬品の加速」を改革の方向性として挙げている。しかし、2023 年
現在においても、日本は国民皆保険制度の充実と医療機関へのフリーアクセスによって、
患者が軽微な不調でも医療機関を受診しやすい環境が整えられていることを背景に、全医
薬品の中で OTC 医薬品が占める割合が 6.9%と G7 の中でも最低であり、その進捗は芳しく
ない。その結果、医療財政の逼迫や医療機関における外来対応時間の増大、適切なタイミ
ングでの医薬品へのアクセス阻害等様々な問題が生じている。そこで、本政策提言書で
は、これまでセルフメディケーション推進、スイッチを含む OTC 医薬品の普及拡大との関
係において十分な考察がなされてこなかった「医薬品の個人輸入問題」について取り上
げ、日本におけるスイッチ OTC 医薬品の拡充がセルフメディケーション推進と個人輸入に
よる偽造医薬品被害の防止の一助となるのではないかとの視点から、現状のスイッチ OTC
医薬品の承認スキームや政府のセルフメディケーション推進施策の方向性や対策を提言と
して示す。
個人輸入される医薬品の多くは国内では未承認医薬品であり、偽造医薬品が含まれるこ
とがある。個人輸入を利用する理由として、薬局で正規品を入手できない等が挙げられて
いる。そのため、手軽に正規品を購入できるルートが少ないことが個人輸入の利用の要因
となっており、ひいては偽造医薬品被害の拡大につながっていると考えられる。さらに、
インターネットを経由した医薬品の購入は一般的になりつつあることから、今後医薬品の
個人輸入はますます増えることが予想され、それにともない偽造医薬品による健康被害が
増加すると予測できる。このことから、医療用医薬品のスイッチ OTC 化を促進することで
正規品へのアクセスルートを拡充し、未承認医薬品や偽造医薬品の被害から一般消費者を
保護することが急務だといえる。
スイッチ OTC 化促進の進捗が芳しくない理由は、大きく 3 つ考えられる。1 点目は、ス
イッチ OTC 医薬品に関する政府目標やロードマップが存在していないことだ。2 点目は、
「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」(以下、評価検討会議)で
議論するべき論点が不明確であることだ。目的とはそぐわない論点が多く取り上げられる
ことが、議論の進行を妨げていると考えられる。3 点目は、評価検討会議における審議期
間が決まっていないことだ。その結果、たとえば緊急避妊薬の議論は評価検討会議で通算
約 6 年間も行われている。
加えて、今後スイッチ OTC 医薬品を推進する上で課題になるであろう点についても大き
く 2 つ取り上げる。1 点目は、日本では OTC を推進する上での課題や解決策について議論
を交わす場がないため、OTC 医薬品に関するエビデンスの共有や蓄積がされにくく、OTC 医
薬品の有効活用に関する日本の方針が不明確なままになっているという課題だ。2 点目
は、医療用医薬品の処方の際に OTC 医薬品の服用を加味した治療を行う環境が整っていな
いことで、併用禁忌である医療用医薬品を処方してしまう可能性があるという課題だ。
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コロナ禍が長期化し、医療へのアクセス制限が長期間課される中で「セルフメディケー
ション」が注目を集めている。また、日本の少子高齢化は簡単に解消する問題ではなく、
2040 年問題も危惧されている状況にある。そのため、このまま少子高齢化が進めば医療の
需要と供給のバランスが破綻することは自明である。このような背景から、政府はセルフ
メディケーションの推進に積極的な姿勢を見せており、セルフメディケーションの推進に
向けて「スイッチ OTC 医薬品の加速」を改革の方向性として挙げている。しかし、2023 年
現在においても、日本は国民皆保険制度の充実と医療機関へのフリーアクセスによって、
患者が軽微な不調でも医療機関を受診しやすい環境が整えられていることを背景に、全医
薬品の中で OTC 医薬品が占める割合が 6.9%と G7 の中でも最低であり、その進捗は芳しく
ない。その結果、医療財政の逼迫や医療機関における外来対応時間の増大、適切なタイミ
ングでの医薬品へのアクセス阻害等様々な問題が生じている。そこで、本政策提言書で
は、これまでセルフメディケーション推進、スイッチを含む OTC 医薬品の普及拡大との関
係において十分な考察がなされてこなかった「医薬品の個人輸入問題」について取り上
げ、日本におけるスイッチ OTC 医薬品の拡充がセルフメディケーション推進と個人輸入に
よる偽造医薬品被害の防止の一助となるのではないかとの視点から、現状のスイッチ OTC
医薬品の承認スキームや政府のセルフメディケーション推進施策の方向性や対策を提言と
して示す。
個人輸入される医薬品の多くは国内では未承認医薬品であり、偽造医薬品が含まれるこ
とがある。個人輸入を利用する理由として、薬局で正規品を入手できない等が挙げられて
いる。そのため、手軽に正規品を購入できるルートが少ないことが個人輸入の利用の要因
となっており、ひいては偽造医薬品被害の拡大につながっていると考えられる。さらに、
インターネットを経由した医薬品の購入は一般的になりつつあることから、今後医薬品の
個人輸入はますます増えることが予想され、それにともない偽造医薬品による健康被害が
増加すると予測できる。このことから、医療用医薬品のスイッチ OTC 化を促進することで
正規品へのアクセスルートを拡充し、未承認医薬品や偽造医薬品の被害から一般消費者を
保護することが急務だといえる。
スイッチ OTC 化促進の進捗が芳しくない理由は、大きく 3 つ考えられる。1 点目は、ス
イッチ OTC 医薬品に関する政府目標やロードマップが存在していないことだ。2 点目は、
「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」(以下、評価検討会議)で
議論するべき論点が不明確であることだ。目的とはそぐわない論点が多く取り上げられる
ことが、議論の進行を妨げていると考えられる。3 点目は、評価検討会議における審議期
間が決まっていないことだ。その結果、たとえば緊急避妊薬の議論は評価検討会議で通算
約 6 年間も行われている。
加えて、今後スイッチ OTC 医薬品を推進する上で課題になるであろう点についても大き
く 2 つ取り上げる。1 点目は、日本では OTC を推進する上での課題や解決策について議論
を交わす場がないため、OTC 医薬品に関するエビデンスの共有や蓄積がされにくく、OTC 医
薬品の有効活用に関する日本の方針が不明確なままになっているという課題だ。2 点目
は、医療用医薬品の処方の際に OTC 医薬品の服用を加味した治療を行う環境が整っていな
いことで、併用禁忌である医療用医薬品を処方してしまう可能性があるという課題だ。
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