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別紙4○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00066.html
出典情報 先進医療会議(第129回 2/8)《厚生労働省》
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令和6年1月 26 日
「タミバロテン内服投与及びペムブロリズマブ静脈内投与の併用療法
(整理番号B137)」の有効性・安全性にかかる評価について
先進医療技術審査部会
座長

竹内



名古屋大学医学部附属病院から申請のあった新規技術について、先進医療技術審査
部会で安全性・有効性について検討を行い、その結果を以下の通りとりまとめたので
報告いたします。

1.申請医療機関からの申請に基づく先進医療の概要
先進医療の名称:タミバロテン内服投与及びペムブロリズマブ静脈内投与の併用療法
適応症:二次治療抵抗性又は不耐の治癒切除不能膵臓癌
内容:
(概要・先進性)
膵癌に特徴的な病理像として高度な癌関連線維芽細胞(CAF)と線維性間質の増生が
挙げられる。膵癌間質の主要な構成成分である CAF の機能として、多様な増殖因子やサ
イトカイン・ケモカインを分泌することによりがんの悪性化、転移、血管新生、化学療
法抵抗性を促進するため、CAF の増生は、①間質圧上昇に伴う血管の虚脱を誘導し、癌
細胞やリンパ球等の標的細胞への治療薬の到達を阻むこと(薬剤送達の阻害)、②マクロ
ファージやリンパ球の形質変化を誘導し、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)感受性
を低下させることが報告されている。そのため、CAF や結合組織を除去する治療法の開
発が進められてきたが、CAF 阻害剤による CAF 増殖抑制や CAF を除去することを目的
とした臨床試験では、むしろ癌を促進させてしまう結果となってしまった。これまでは
CAF の機能は一様であり、癌促進的な機能を有するものと考えられていたが、最近の1
細胞解析により、CAF は多様な細胞の集団であることが明らかとなり、これまで実施さ
れてきた臨床試験のように一様に CAF を阻害又は除去する戦略が適切でないことが示
唆された。
申請者等は、癌抑制性 CAF の初の機能性マーカーとして、線維芽細胞に特異的な
Meflin を同定し、非臨床試験における結果から、タミバロテン(AM80)が CAF の形
質だけでなく、腫瘍免疫環境も変化させ、ICI の抗腫瘍効果も増強させる効果を確認し
た。膵癌は予後が非常に悪く、二次治療以降の適切な治療法が存在していないこと、ま
た、膵癌は主要な難治癌の中で間質(主要な構成成分は CAF である)の割合が最も高く
AM80 による効果が最も期待される。本研究では、CAF の形質を変換することで、ICI
不応性の膵癌を感受性に変換させる新規治療法の開発を目指す。

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