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資料4-2 日本版抗コリン薬リスクスケール (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40741.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第18回 6/21)《厚生労働省》
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日本版抗コリン薬リスクスケール

4.1

対象

「日本版抗コリン薬リスクスケール」は、高齢者を主な適用対象とするが、若年者でも基礎
疾患によっては薬物有害事象の危険が高まることがあり、適用対象に年齢上の区分は設けな
い。本スケールは、あらゆる医療介護現場で使用されることを想定して作成されており、利用
対象は薬剤師、医師・歯科医師、看護師やその他の医療介護専門職全般である。

4.2

使い方

日本版抗コリン薬リスクスケールは、リスク評価として、2 つの側面を評価することを推奨
する。1 つ目は、個々の薬物のリスク評価である。各薬物が持つ抗コリン作用によるリスクの
強さをスコア 3 から 1 で評価を行う。高いスコアの薬物を使用している場合は、より低いスコ
アの薬物に切り替えるなど検討を行う。2 つ目は、総合的なリスク評価である。高齢者は複数
疾患に罹患しており複数の薬物が処方されていることが多い。それぞれの薬物のリスクスコア
を合算し、患者の総抗コリン薬負荷を算出する。これにより、薬物療法全体の抗コリン作用に
よるリスクを把握することが可能となる。総抗コリン薬負荷は服用期間が長くなるほどそのリ
スクが増加すること(2)が示されているため、服用期間も含めて確認し、総抗コリン薬負荷を
下げるよう介入することが望ましい。また、日本版抗コリン薬リスクスケールには、多くの一
般用医薬品も含まれるため、一般用医薬品の使用に関しても同様に評価することが求められ
る。なお、薬物の中止に際しては、突然中止すると病状の急激な悪化を招く場合があることに
留意し、必要に応じて徐々に減量するなどの対応が望ましい。

4.3

日本版抗コリン薬リスクスケール作成方法

抗コリン薬リスクスケールに関する文献調査から 16 文献(3-18)、286 の薬物に対して以下
の方法で日本版抗コリン薬リスクスケールのスコアを確定した。

4.3.1

スコア作成に関する事前作業

1) 評価対象薬物の選定
日本で入手可能な薬物(薬価収載薬、一般用医薬品)のみに限定することした。対象薬物
は、内服薬、全身作用目的の経皮薬のみを対象とし、外用薬、眼科薬(局所)、耳科薬(局
所)、経鼻薬(局所)、吸入薬などの非経口薬で全身作用を期待しない薬物は除外した。な
お、販売中止医薬品も含まれていたため除外した。その結果、185 薬物が評価対象となった。
2) スコアの再評価
日本版抗コリン薬リスクスケールでは、16 文献(3-18)を用い、各薬物の掲載スケール数、
および平均点を算出し評価することとした。しかし、各文献でスコアリング方法が異なるた

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