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資料4-2 日本版抗コリン薬リスクスケール (30 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40741.html |
出典情報 | 高齢者医薬品適正使用検討会(第18回 6/21)《厚生労働省》 |
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以上より、運動機能障害の領域においては、抗コリン薬リスクスケールの評価方法につい
て、DBI が比較的使用されているが、様々なスケールが幅広く用いられており、どのスケール
が優れているかは不明である。また抗コリン薬リスクスケールと潜在的な薬物有害事象の関連
について、転倒に関しては地域でのシステマティックレビューも存在し、高齢者施設や病院に
おいても研究が進められているが、転倒以外の運動機能障害については、報告が少ないという
結果であった。
表 6 抗コリン薬リスクスケールを用いて転倒への影響を検討した文献一覧
文献
目的
抗コリン薬リスクスケールを用いた
Stewart C et
高齢者の転倒リスク予測能力に関
ai. (51)
する比較
Hanlon P et
al. (1)
最も一般的な 10 種類の抗コリン作
用 尺度を用いて大規模コホートに
おける ACB を定量化すること、各
尺度と有害転帰との関連を評価す
ること、および各尺度で特定される
集団における重複を評価すること
Akgün Ö et
al. (56)
高齢の統合失調症患者において、
抗コリン薬の負荷がアルツハイマ
ー型認知症関連および統合失調
症関連の認知機能に及ぼす影響
を評価
抗コリンスケール
運動機能障害(転倒、筋
力低下、手足の震え、歩
行障害など)
結果
転
倒
へ
の
影
響
8 の研究
274,647 名
ACBS
ARS
ACB の増加と転倒との間
に有意な関連が認め られ
たが、一般にこれは抗コリ
ン薬リスクスケールのスコ
アが高い場合(ACB が 4
以上など)にのみ当てはま
る
中等度から高度の ACB と高齢者
の転倒リスクとの関連を支持する
エビデンスはあるが、どの ACB 尺
度が高齢者の予後予測に最も有
用であるかについては、結論を出
せない
有
502,538 名
ADS
CrAS
ARS
ACoB
AAS
AAS-r
ALS
m-ARS
AEC
AIS
ACB は中高年集団において有害
転帰と関連していた。同定された
集団 および効果の大きさは尺度間
で異なっていた。尺度の選択は、
臨床診療または介入試験において
ACB の減少を必要とする可能性が
あると同定された集団に影響を与
えた
有
Ⅳa
905 名
ARS
ACB
Chew-AAS
入院時の抗コリン薬曝露は、高齢
患者の院内転倒の主な危険因子
ではない可能性がある
有/
無
Ⅳa
315 名
DBI
ADS
SLM
エビデンス
Ⅰ
Ⅳa
症例数
薬物負荷指数(DBI )、抗コリン薬ス
ケール(ADS)、および鎮静薬負荷モ
Jean-Bart E
et al. (57)
Suehs B T et
al. (58)
デル(SLM)を用いて、高齢入院患
者集団における抗コリン薬および
鎮静薬関連の ADR のリスクを定義
すること
抗コリン薬への曝露と転倒、骨折、
および全死亡との関係を明らかに
すること
Ⅳa
113,311 名
ACoB
ARS に従って抗コリン薬を
追加使用するご とに、転
倒をの増加と関連してい
た(OR = 1.49、95%CI:1.062.10)
リスクの高い処方を特定するため
のスケールは、臨床医や薬剤師が
高齢者の治療法を最適化するのに
役立つ
平均年齢 74.8±6.2 歳が
組み入れられた。現在の
抗コリン薬曝露は、未曝
露の人と比較して転倒/骨
折のハザードが 1.28 倍増
加すること(95%信頼区間
[CI]1.23-1.32)と関連し、過
去の曝露は転倒/骨折の
ハザードが 1.14 倍増加す
ること(95%CI1.12-1.17)と
関連した。非曝露者時間
と比較して、低、中、高強
度の抗コリン薬曝露は、そ
れぞれ転倒/骨折のハザ
ードが 1.04 倍(95%CI
1.00-1.07)、1.13 倍(95%
CI 1.09-1.17)、1.31 倍
(95%CI 1.26-1.36)増加す
ることと関連していた。全
30
抗コリン薬への曝露は、高齢患者
における転倒や骨折のリスク増加
と関連しており、そのような OAB 患
者の治療選択肢を評価する際に重
要な考慮事項である
無
有
て、DBI が比較的使用されているが、様々なスケールが幅広く用いられており、どのスケール
が優れているかは不明である。また抗コリン薬リスクスケールと潜在的な薬物有害事象の関連
について、転倒に関しては地域でのシステマティックレビューも存在し、高齢者施設や病院に
おいても研究が進められているが、転倒以外の運動機能障害については、報告が少ないという
結果であった。
表 6 抗コリン薬リスクスケールを用いて転倒への影響を検討した文献一覧
文献
目的
抗コリン薬リスクスケールを用いた
Stewart C et
高齢者の転倒リスク予測能力に関
ai. (51)
する比較
Hanlon P et
al. (1)
最も一般的な 10 種類の抗コリン作
用 尺度を用いて大規模コホートに
おける ACB を定量化すること、各
尺度と有害転帰との関連を評価す
ること、および各尺度で特定される
集団における重複を評価すること
Akgün Ö et
al. (56)
高齢の統合失調症患者において、
抗コリン薬の負荷がアルツハイマ
ー型認知症関連および統合失調
症関連の認知機能に及ぼす影響
を評価
抗コリンスケール
運動機能障害(転倒、筋
力低下、手足の震え、歩
行障害など)
結果
転
倒
へ
の
影
響
8 の研究
274,647 名
ACBS
ARS
ACB の増加と転倒との間
に有意な関連が認め られ
たが、一般にこれは抗コリ
ン薬リスクスケールのスコ
アが高い場合(ACB が 4
以上など)にのみ当てはま
る
中等度から高度の ACB と高齢者
の転倒リスクとの関連を支持する
エビデンスはあるが、どの ACB 尺
度が高齢者の予後予測に最も有
用であるかについては、結論を出
せない
有
502,538 名
ADS
CrAS
ARS
ACoB
AAS
AAS-r
ALS
m-ARS
AEC
AIS
ACB は中高年集団において有害
転帰と関連していた。同定された
集団 および効果の大きさは尺度間
で異なっていた。尺度の選択は、
臨床診療または介入試験において
ACB の減少を必要とする可能性が
あると同定された集団に影響を与
えた
有
Ⅳa
905 名
ARS
ACB
Chew-AAS
入院時の抗コリン薬曝露は、高齢
患者の院内転倒の主な危険因子
ではない可能性がある
有/
無
Ⅳa
315 名
DBI
ADS
SLM
エビデンス
Ⅰ
Ⅳa
症例数
薬物負荷指数(DBI )、抗コリン薬ス
ケール(ADS)、および鎮静薬負荷モ
Jean-Bart E
et al. (57)
Suehs B T et
al. (58)
デル(SLM)を用いて、高齢入院患
者集団における抗コリン薬および
鎮静薬関連の ADR のリスクを定義
すること
抗コリン薬への曝露と転倒、骨折、
および全死亡との関係を明らかに
すること
Ⅳa
113,311 名
ACoB
ARS に従って抗コリン薬を
追加使用するご とに、転
倒をの増加と関連してい
た(OR = 1.49、95%CI:1.062.10)
リスクの高い処方を特定するため
のスケールは、臨床医や薬剤師が
高齢者の治療法を最適化するのに
役立つ
平均年齢 74.8±6.2 歳が
組み入れられた。現在の
抗コリン薬曝露は、未曝
露の人と比較して転倒/骨
折のハザードが 1.28 倍増
加すること(95%信頼区間
[CI]1.23-1.32)と関連し、過
去の曝露は転倒/骨折の
ハザードが 1.14 倍増加す
ること(95%CI1.12-1.17)と
関連した。非曝露者時間
と比較して、低、中、高強
度の抗コリン薬曝露は、そ
れぞれ転倒/骨折のハザ
ードが 1.04 倍(95%CI
1.00-1.07)、1.13 倍(95%
CI 1.09-1.17)、1.31 倍
(95%CI 1.26-1.36)増加す
ることと関連していた。全
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抗コリン薬への曝露は、高齢患者
における転倒や骨折のリスク増加
と関連しており、そのような OAB 患
者の治療選択肢を評価する際に重
要な考慮事項である
無
有