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資料4-2 日本版抗コリン薬リスクスケール (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40741.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第18回 6/21)《厚生労働省》
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概要

目的
医師、歯科医師や薬剤師等が、高齢者に頻用される抗コリン薬のリスクを正確に評価し、
抗コリン薬による薬物有害事象や相互作用を減少させることで患者の生活の質(Quality
of life: QOL)の向上を目指す。
経緯
日本では、臨床的視点にもとづく独自のリスクスケールが存在しておらず、国内の医療現
場において海外のリスクスケールをそのまま適用することには限界がある。そこで、日本
老年薬学会では、医師、歯科医師、薬剤師、基礎薬学研究者の合計 15 名からなる「日本
版抗コリン薬リスクスケール作成ワーキンググループ」を立ち上げ作成を行った。
作成方法
文献調査を行い、16 文献が該当した。文献中の 286 薬物を出発とし、日本で入手可能な
薬物のみに限定することした。なお、非経口薬で全身作用を期待しない薬物は除外した。
その後、文献に記載されている薬物のスコア平均点を算出し、薬理作用評価とエキスパー
トオピニオンに基づいて評価した。
日本版抗コリン薬リスクスケール
日本で用いられる 158 薬物にスコアを付与した。スコア 3 が 37 薬物、スコア 2 が 27 薬
物、スコア 1 が 94 薬物となった。詳細は、P13 を参照。
対象
1. 適用対象
高齢者を主な適用対象とするが、若年者でも基礎疾患によっては薬物有害事象の危険
が高まることがあり、適用対象に年齢上の区分は設けない。
2. 利用対象
薬剤師、医師・歯科医師、看護師やその他の医療介護専門職全般である。
使い方
1. 個々の薬物のリスク評価
各薬物が持つ抗コリン作用によるリスクの強さをスコア 3 から 1 で評価を行う。
高いスコアの薬物を使用している場合は、より低いスコアの薬物に切り替える
など検討を行う。
2. 総合的なリスク評価(総抗コリン薬負荷)
高齢者は複数疾患に罹患しており複数の薬物が処方されていることが多く、
それぞれの薬物のスコアを合算し、患者の総抗コリン薬負荷を算出する。
薬物療法全体の抗コリン作用によるリスクを把握することが可能となる。

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