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資料4-2 日本版抗コリン薬リスクスケール (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40741.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第18回 6/21)《厚生労働省》
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作成にあたって

3.1

目的と経緯

本リスクスケールの目的は、第 1 に高齢者に頻用される抗コリン薬のリスクを正確に評価
し、薬物療法の適正化(ポリファーマシー対策を含む)を図ることである。第 2 に抗コリン薬
のリスクに関する具体的なスケールを提供することで、医師、歯科医師や薬剤師等が、特に高
齢者への処方・調剤時にリスクをより深く考慮するようになることを目指す。第 3 に抗コリン
薬による薬物有害事象や相互作用を減少させることにより、患者の生活の質(Quality of
life: QOL)の向上を目指す。
本リスクスケールの作成経緯として、海外では各国の状況を踏まえた数多くの抗コリン薬リ
スクスケールが開発されており、抗コリン性の薬物有害事象のリスク評価に広く利用されてい
る。しかし、日本ではまだ独自のリスクスケールが存在しておらず、国内の医療現場において
海外のリスクスケールをそのまま適用することには限界がある。日本独特の医薬品使用状況や
医療・社会環境を反映したリスクスケールの開発が求められる。そこで、日本老年薬学会で
は、医師、歯科医師、薬剤師、基礎薬学研究者の合計 15 名からなる「日本版抗コリン薬リス
クスケール作成ワーキンググループ」を立ち上げ作成を行った。

3.2

文献調査に関して

日本版抗コリン薬リスクスケール作成にあたって、2 つの文献調査を行った。1 つ目は、抗
コリン薬リスクスケールの網羅的調査である。各国で多くのスケールが作成されており、スコ
アの確定方法が一律ではない。そこで、作成方法に関する現状把握を行い、日本版抗コリン薬
リスクスケール作成に向けた参考資料作成を行った。2 つ目は、薬物有害事象の評価に関する
網羅的調査である。抗コリン薬リスクスケールが薬物有害事象評価にどの程度使用されている
のか、および薬物有害事象の種類と頻度を把握することを目的とした。

3.2.1

抗コリン薬リスクスケールに関する文献調査

1) 文献検索方法
抗コリン薬リスクスケールに関する文献調査方法は、システマティックレビューやメタアナ
リシスなどの国際的な前向き研究プロトコルの登録のためのオンラインデータベースである
PROSPERO(http://www.crd.york.ac.uk/PROSPERO/display_record.php?ID=CRD42017076510)に
登録された既報に倣い、調査を実施した。Hanlon らの文献(1)では、この方法を用いて 2017
年 9 月までの文献を調査しており 14 文献がリスクスケールの文献として該当していた。その
ため、 新規の検索期間を 2017 年 10 月から 2023 年 3 月とし、PubMed にて下記の検索式で検
索した。

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