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資料1 高齢社会対策大綱の策定のための検討会報告書(案) (24 ページ)

公開元URL https://www8.cao.go.jp/kourei/taikou-kentoukai/k_8/index.html
出典情報 高齢社会対策大綱の策定のための検討会(第8回 8/5)《内閣府》
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る。
なお、高齢運転者による交通事故死者数の数値目標を設定するに当たっては、
免許を保有する高齢期の人の数が増えていることを踏まえ、運転免許保有者全
体に占める高齢運転者による交通事故死者数の割合で見るべきである。
一方、交通事故死者数全体に占める 65 歳以上の割合は、1989 年に 22.7%で
あったが、2010 年に初めて 50%を超え、2023 年には 54.7%となっており、高
い割合で推移している 48。特に、高齢歩行者の交通事故死者(2013 年~2023 年
の合計)について見ると、道路横断中の交通事故による割合が大きく、65~69
歳では 66.7%であるが、85 歳以上では 82.1%に達する 49。中でも、年齢層が
高くなるとともに横断歩道以外を横断中の割合が増加しており、65~69 歳で
は 44.0%であるが、85 歳以上では 60.2%に達し 50、加齢に伴う身体機能・認
知機能の低下等の影響も考えられる。このような状況も踏まえつつ、高齢歩行
者の事故防止対策に関する数値目標も設けるべきである。
(4)難聴等感覚器機能の低下への対応
日常生活や社会生活の維持において感覚器機能の果たす役割は大きく、特に、
聴覚や視覚の機能の低下は、コミュニケーションが取りづらくなることで高齢
期における社会参加や就労の障壁となり、それが更にフレイルや認知症のリス
ク要因となる場合があるといった指摘がある。
そのため、特に加齢性難聴については、適切な施策の検討に資するよう、調
査を含め実態把握を強化するとともに、地域において加齢性難聴を早期発見し、
適切な介入につなげるための取組の充実や、難聴が高齢期の就労や社会参加の
障壁とならないよう、地域や職場など社会全体における正しい知識の普及・理
解促進など、当事者が生活しやすい環境を整備するべきである。また、難聴に
限らず、加齢に伴う感覚器機能の低下の早期スクリーニングや定期的ケアが重
要である。
補聴器については、その価格の高さに加え、雑音が多い、周囲の環境に合わ
せた調整が難しいなどの課題があり、活用が進んでいない。そのため、ノイズ
キャンセリング等機能面の向上や、内耳に直接音を届けることができる骨伝導
の技術を含む新たな技術の研究開発を推進し、補聴器の活用を促進するべきで
ある。あわせて、補聴器の購入時の消費者トラブルも報告されており、販売者
の知識や技能、サービス体制の充実や、難聴当事者による購入時のサポートな
ど、相談体制を充実させるべきである。
さらに、感覚器機能の障害は様々であり、高齢期の人にも伝わりやすい情報
発信の工夫が必要であることから、公共の場における難聴の人が聞こえやすい
技術を活用したスピーカーの使用やスマートフォン等も活用した視覚的な情
報伝達など、複数のチャンネルにより高齢期の人の感覚を拡張・代替していく
ためのテクノロジーの活用を進め、身体機能・認知機能の状態に関わらず生活
しやすい環境の整備を進めるべきである。
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内閣府「令和6年版交通安全白書」特集-第7図より

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内閣府「令和6年版交通安全白書」特集-第 17 図より

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内閣府「令和6年版交通安全白書」特集-第 17 図より
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