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参考資料2 (54 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》 |
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薬剤費の適正化⑥(既収載医薬品の薬価改定(毎年薬価改定)の徹底と調整幅)資料Ⅱ-1-54
〇 医薬品の取引価格(市場実勢価格)が下落しているにもかかわらず、保険からの償還価格が据え置かれれば、患者負担、保険料負担、公費負担がいたずらに高止まり
する。市場実勢価格を適時に公定薬価に反映することが国民負担の抑制の観点から極めて重要であり、これまで2年に1度とされていた薬価改定について、令和3年度
(2021年度)から毎年薬価改定が実現することとなった。
〇 こうした取組は医薬品市場の中での分配をイノベーションの推進に振り向けていく薬剤費のワイズスペンディングの観点からも不可欠である。他方、令和3年度薬価改定
においては、「価格乖離の大きな品目について薬価改定を行う」との従来の薬価制度の抜本改革に向けた基本方針を踏まえ、平均乖離率8%の0.625倍(乖離率
5%)を超える、価格乖離の大きな品目に限定して対象とすることとされた。
結果として、改定対象品目数が約7割にとどまり、それまでの改定より狭くなった。また、既収載品目の算定ルールのうち、実勢価改定と連動しその影響を補正するもののみ
を適用し、「長期収載品の薬価改定」や「新薬創出等加算の累積額の控除」等が適用されなかったことからも、毎年薬価改定が完全実施されたとまでは言えない。
これらの点を見直し、完全実施を早期に実現すべきである。
〇 市場実勢価格の加重平均値に対して上乗せを行っている調整幅のあり方については、令和4年度診療報酬改定における大臣合意において、引き続き検討することとされ
た。「医療機関の平均的な購入価格の保障」という考え方や、「流通安定のため」の調整比率という制度趣旨以上の説明がなされないまま、価格の高低を問わず全医薬品に
ついて一律に2%という水準が約20年間固定されている。水準の合理的な根拠の説明もないままに、薬価改定の効果を目減りさせ、保険料負担・患者負担・公費負担を
嵩上げしていることは、大きな問題と言わざるを得ない。可及的速やかに、廃止を含めて制度のあり方を見直し、少なくとも段階的縮小を実現すべきである。
◆薬価調査の結果
◆「毎年薬価改定の実現について」
内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣合意(令和2年12月17日)
毎年薬価改定の初年度である令和3年度薬価改定について、令和2年薬価
調査に基づき、以下のとおり実施する。
改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点からできる限り広くする
ことが適当である状況のもと、平均乖離率8%の0.5倍~0.75倍の中間であ
る0.625倍(乖離率5%)を超える、価格乖離の大きな品目を対象とする。
また、「経済財政運営と改革の基本方針2020」(令和2年7月17日)に
基づき、新型コロナウイルス感染症による影響を勘案し、令和2年薬価調査
の平均乖離率が、同じく改定半年後に実施した平成30年薬価調査の平均乖離
率を0.8%上回ったことを考慮し、これを「新型コロナウイルス感染症によ
る影響」と見なした上で、「新型コロナウイルス感染症特例」として薬価の
削減幅を0.8%分緩和する。
◆調整幅の経緯
【平成4年度改定~平成12年度改定以前】
大多数の医療機関等において改定前どお
り薬剤購入したとしても、取引価格差によ
る経済的損失を生じさせない「実費保障」
という考え方の下、市場実勢価格の加重平
均値に一定の合理的価格幅(R幅)を加算
【平成12年度改定~】
「医療機関の平均的な購入価格の保障」と
いう新たな考え方に基づき、R幅に代わる
一定幅として「薬剤流通の安定のため」の
調整幅(2%)を設定
改定年度
平成4年度
改定方式等
加重平均値一定価格幅方式(R幅方式)
(R幅15%)
6年度
R幅方式(R幅13%)
8年度
R幅方式(R幅11%)
9年度
R幅方式(R幅10%)※長期収載品はR幅8%
10年度
R幅方式(R幅5%)※長期収載品はR幅2%
12年度~
加重平均値調整幅方式(調整幅2%)
◆薬価改定における調整幅の仕組み
旧薬価
新薬価
薬価差
納入価
【卸売業者】
納入価
【医療機関・薬局】
調整幅 2%
納入価
【医療機関・薬局】
市場実勢価格
の加重平均値
〇 医薬品の取引価格(市場実勢価格)が下落しているにもかかわらず、保険からの償還価格が据え置かれれば、患者負担、保険料負担、公費負担がいたずらに高止まり
する。市場実勢価格を適時に公定薬価に反映することが国民負担の抑制の観点から極めて重要であり、これまで2年に1度とされていた薬価改定について、令和3年度
(2021年度)から毎年薬価改定が実現することとなった。
〇 こうした取組は医薬品市場の中での分配をイノベーションの推進に振り向けていく薬剤費のワイズスペンディングの観点からも不可欠である。他方、令和3年度薬価改定
においては、「価格乖離の大きな品目について薬価改定を行う」との従来の薬価制度の抜本改革に向けた基本方針を踏まえ、平均乖離率8%の0.625倍(乖離率
5%)を超える、価格乖離の大きな品目に限定して対象とすることとされた。
結果として、改定対象品目数が約7割にとどまり、それまでの改定より狭くなった。また、既収載品目の算定ルールのうち、実勢価改定と連動しその影響を補正するもののみ
を適用し、「長期収載品の薬価改定」や「新薬創出等加算の累積額の控除」等が適用されなかったことからも、毎年薬価改定が完全実施されたとまでは言えない。
これらの点を見直し、完全実施を早期に実現すべきである。
〇 市場実勢価格の加重平均値に対して上乗せを行っている調整幅のあり方については、令和4年度診療報酬改定における大臣合意において、引き続き検討することとされ
た。「医療機関の平均的な購入価格の保障」という考え方や、「流通安定のため」の調整比率という制度趣旨以上の説明がなされないまま、価格の高低を問わず全医薬品に
ついて一律に2%という水準が約20年間固定されている。水準の合理的な根拠の説明もないままに、薬価改定の効果を目減りさせ、保険料負担・患者負担・公費負担を
嵩上げしていることは、大きな問題と言わざるを得ない。可及的速やかに、廃止を含めて制度のあり方を見直し、少なくとも段階的縮小を実現すべきである。
◆薬価調査の結果
◆「毎年薬価改定の実現について」
内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣合意(令和2年12月17日)
毎年薬価改定の初年度である令和3年度薬価改定について、令和2年薬価
調査に基づき、以下のとおり実施する。
改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点からできる限り広くする
ことが適当である状況のもと、平均乖離率8%の0.5倍~0.75倍の中間であ
る0.625倍(乖離率5%)を超える、価格乖離の大きな品目を対象とする。
また、「経済財政運営と改革の基本方針2020」(令和2年7月17日)に
基づき、新型コロナウイルス感染症による影響を勘案し、令和2年薬価調査
の平均乖離率が、同じく改定半年後に実施した平成30年薬価調査の平均乖離
率を0.8%上回ったことを考慮し、これを「新型コロナウイルス感染症によ
る影響」と見なした上で、「新型コロナウイルス感染症特例」として薬価の
削減幅を0.8%分緩和する。
◆調整幅の経緯
【平成4年度改定~平成12年度改定以前】
大多数の医療機関等において改定前どお
り薬剤購入したとしても、取引価格差によ
る経済的損失を生じさせない「実費保障」
という考え方の下、市場実勢価格の加重平
均値に一定の合理的価格幅(R幅)を加算
【平成12年度改定~】
「医療機関の平均的な購入価格の保障」と
いう新たな考え方に基づき、R幅に代わる
一定幅として「薬剤流通の安定のため」の
調整幅(2%)を設定
改定年度
平成4年度
改定方式等
加重平均値一定価格幅方式(R幅方式)
(R幅15%)
6年度
R幅方式(R幅13%)
8年度
R幅方式(R幅11%)
9年度
R幅方式(R幅10%)※長期収載品はR幅8%
10年度
R幅方式(R幅5%)※長期収載品はR幅2%
12年度~
加重平均値調整幅方式(調整幅2%)
◆薬価改定における調整幅の仕組み
旧薬価
新薬価
薬価差
納入価
【卸売業者】
納入価
【医療機関・薬局】
調整幅 2%
納入価
【医療機関・薬局】
市場実勢価格
の加重平均値