資 料3-3 令和4年度第3回安全技術調査会の審議結果について (8 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29732.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会運営委員会(令和4年度第3回 12/14)《厚生労働省》 |
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構築した NIID-S2 3plex 法の 95%検出感度を検討した。その結果, 世界的に使用されている 2019nCoV_N2 法(米国 CDC で公開された検出系)が 28.7 copies/reaction であったのに対して, NIID-S2 3plex
は, 16.3 copies/reaction であったことから, 現行法と比べても同等以上の検出感度があることが確認できた。
SARS-CoV-1 に対する 95%検出感度は, 37.6 copies/reaction であった(Table.3)
血液関連ウイルス, 類似コロナウイルスに対する特異性の確認
輸血感染ウイルスとして, HIV-1, HBV, HCV, HEV, Parvovirus B19, 蚊媒介ウイルス:Dengue virus
1,2,3,4, Chikungunya virus, Zika virus, 日本脳炎ウイルス, West Nile virus, Yellow fever virus, 一般的な
Human coronavirus として, 229E, NL63, OC43, HKU1 を対象として, それぞれの精製 RNA を鋳型として,
RT-qPCR における増幅を検討した。その結果, これらのいずれのウイルスに対しても, 増幅を示さなかっ
た(Table.4)。
課題 2. SARS-CoV-2 核酸検査法のための変異株参照パネルの構築
SARS-CoV-2 に関しては,抽出効率を反映させた生ウイルス由来の核酸検査用標準品は日本にはなく,
一般に,国際標準品も令和3年頃までは入手が困難であった。我々は令和2年度に, 核酸検査用に使用
できる国内参照品候補品2種類を10施設で測定し,値付けを実施し国内参照品に対して国際単位
IU/mL の表示値を付与した。そこで令和3年度は, 既存の検出法の評価に使用できるよう, 新規に発生し
た VOC などの変異株に対する参照品パネルを構築し, 複数施設で値付けを行った。
研究方法および結果
SARS-CoV-2 変異ウイルス株の選定とウイルスの不活化処理
変異ウイルス株は 2021 年 12 月の時点で国立感染症研究所の分与株対象となっていた 5 株(アルファ,
ベータ,ガンマ, デルタ, オミクロン)を対象とした。各変異ウイルス液は 60 分加熱処理を実施して不活化し,
さらに 50%酢酸による酸処理(処理後アルカリで中和)し, 安全性マージンを追加した。不活化処理済みウイ
ルス液をユニバーサルバッファーで適宜希釈し, 分注したものをパネルとした。パネルは
veroE6/TMPRSS2 に作用させ 3 代継代し,細胞変性効果 (CPE) が認められず, 感染性は認められないこ
とを確認した。
パネルの測定と核酸量の算出
日本赤十字社, 国立感染症研究所を含む 4 施設において, 核酸量の参考値付与のための共同測定を
実施した。5 種類の参照品および国内参照品 (NIID_002/2020), 国際標準品(NIBSC_ 20/146) を 3 希釈 3
回測定し, 定量値, Ct 値を集計し解析した(Table.5)。その結果, 施設 1 のデータが他より低値で, 各変異
ウイルス株定量値の変動係数 GCV%は 186〜361%で乖離が認められた。
パネル核酸量の相対評価による値付け
各パネルの核酸量参考値は, 国内参照品(NIID_002/ 2020)の値付け値(6.92 log10 Units/mL, 7.08
log10 IU/mL)を元に平行線定量法にて相対的に算出した(Table.6)。各施設の相対定量値の幾何平均値
をパネルの核酸量の参考値として定めた(Table.7)。その結果, 変動係数の低下が認められ, 各施設間差
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