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資料3-2 ヒドロキシエチルデンプン調査結果報告書 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29975.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第22回 12/27)《厚生労働省》 |
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令和4年度第22回
令和4年12月27日
医薬品等安全対策部会安全対策調査会
資料3-2
調査結果報告書
令和 4 年 12 月 12 日
独立行政法人医薬品医療機器総合機構
Ⅰ.品目の概要
[一
般
名]
①ヒドロキシエチルデンプン 130000、②ヒドロキシエチルデンプン 70000 配合
剤、③ヒドロキシエチルデンプン 70000
[販 売
名]
①ボルベン輸液 6%、②ヘスパンダー輸液、③サリンへス輸液 6%
[承認取得者]
①②③フレゼニウス カービ ジャパン株式会社
[効能・効果]
①循環血液量の維持
②、③各科領域における出血多量の場合 体外循環における血液希釈液
[用法・用量]
①持続的に静脈内投与する。投与量及び投与速度は、症状に応じ適宜調節する
が、1 日 50mL/kg を上限とする。
②、③成人は 1 回 100〜1,000mL を静脈内に注射する。小児は通常体重 kg あた
り、10mL 以内を用いる。症状に応じ、適宜増減する。体外循環における血液希
釈液としては、通常体重 kg あたり 10〜20mL を用いる。
[調査担当部] 医薬品安全対策第一部
Ⅱ.今回の調査の経緯
ヒドロキシエチルデンプン(以下、
「HES」)含有製剤は、膠質浸透圧作用に基づく血漿増量作用
をもつ血液代用剤である。国内では、ヒドロキシエチルデンプン 70000(以下、
「HES70」)及び同
配合剤が販売名「ヘスパンダー輸液」及び「サリンへス輸液 6%」としてそれぞれ 1974 年及び 1987
年に販売開始された。また、ヒドロキシエチルデンプン 130000(以下、
「HES130」
)が販売名「ボ
ルベン輸液 6%」として 2013 年 3 月に承認され販売開始された。
EU において、HES 製剤の安全性 1)が 2013 年及び 2018 年に検討されている。
2013 年 6 月には、欧州医薬品庁(以下、「EMA」)の医薬品安全監視リスク評価委員会(以下、
「PRAC」)により、海外臨床試験 2)3)4)の結果等を根拠として、以下の点から全ての適応患者に
おけるベネフィット・リスクバランスが保たれないと評価され、HES 製剤の販売承認停止が勧告
された。
•
敗血症患者及び重症患者に対し HES 製剤投与を行った場合に、死亡率の上昇が認められてい
1)2013
年に PRAC が HES 製剤の安全性を検討した主な根拠とされた海外臨床試験(以下の 2)~4)の文献)に
は、HES130 に加えて、分子量が異なる HES200 を投与した臨床試験が含まれている。
2)Perner, A. et al. Hydroxyethyl starch 130/0.42 versus Ringer's acetate in severe sepsis. N Engl J Med 2012; 367: 124-34.
3)Brunkhorst, F.M. et al. Intensive insulin therapy and pentastarch resuscitation in severe sepsis. N Engl J Med, 2008; 358:
125-39.
4)Myburgh, J.A. et al. Hydroxyethyl starch or saline for fluid resuscitation in intensive care. N Engl J Med 2012; 367: 190111.
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令和4年12月27日
医薬品等安全対策部会安全対策調査会
資料3-2
調査結果報告書
令和 4 年 12 月 12 日
独立行政法人医薬品医療機器総合機構
Ⅰ.品目の概要
[一
般
名]
①ヒドロキシエチルデンプン 130000、②ヒドロキシエチルデンプン 70000 配合
剤、③ヒドロキシエチルデンプン 70000
[販 売
名]
①ボルベン輸液 6%、②ヘスパンダー輸液、③サリンへス輸液 6%
[承認取得者]
①②③フレゼニウス カービ ジャパン株式会社
[効能・効果]
①循環血液量の維持
②、③各科領域における出血多量の場合 体外循環における血液希釈液
[用法・用量]
①持続的に静脈内投与する。投与量及び投与速度は、症状に応じ適宜調節する
が、1 日 50mL/kg を上限とする。
②、③成人は 1 回 100〜1,000mL を静脈内に注射する。小児は通常体重 kg あた
り、10mL 以内を用いる。症状に応じ、適宜増減する。体外循環における血液希
釈液としては、通常体重 kg あたり 10〜20mL を用いる。
[調査担当部] 医薬品安全対策第一部
Ⅱ.今回の調査の経緯
ヒドロキシエチルデンプン(以下、
「HES」)含有製剤は、膠質浸透圧作用に基づく血漿増量作用
をもつ血液代用剤である。国内では、ヒドロキシエチルデンプン 70000(以下、
「HES70」)及び同
配合剤が販売名「ヘスパンダー輸液」及び「サリンへス輸液 6%」としてそれぞれ 1974 年及び 1987
年に販売開始された。また、ヒドロキシエチルデンプン 130000(以下、
「HES130」
)が販売名「ボ
ルベン輸液 6%」として 2013 年 3 月に承認され販売開始された。
EU において、HES 製剤の安全性 1)が 2013 年及び 2018 年に検討されている。
2013 年 6 月には、欧州医薬品庁(以下、「EMA」)の医薬品安全監視リスク評価委員会(以下、
「PRAC」)により、海外臨床試験 2)3)4)の結果等を根拠として、以下の点から全ての適応患者に
おけるベネフィット・リスクバランスが保たれないと評価され、HES 製剤の販売承認停止が勧告
された。
•
敗血症患者及び重症患者に対し HES 製剤投与を行った場合に、死亡率の上昇が認められてい
1)2013
年に PRAC が HES 製剤の安全性を検討した主な根拠とされた海外臨床試験(以下の 2)~4)の文献)に
は、HES130 に加えて、分子量が異なる HES200 を投与した臨床試験が含まれている。
2)Perner, A. et al. Hydroxyethyl starch 130/0.42 versus Ringer's acetate in severe sepsis. N Engl J Med 2012; 367: 124-34.
3)Brunkhorst, F.M. et al. Intensive insulin therapy and pentastarch resuscitation in severe sepsis. N Engl J Med, 2008; 358:
125-39.
4)Myburgh, J.A. et al. Hydroxyethyl starch or saline for fluid resuscitation in intensive care. N Engl J Med 2012; 367: 190111.
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