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資料3-2 ヒドロキシエチルデンプン調査結果報告書 (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29975.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第22回 12/27)《厚生労働省》 |
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がより安全であると考えられていたが、最近の大規模試験では、特にバランス型溶媒と比較して、
重症敗血症における腎代替療法の必要性に同様の効果があることが示されている。HES と等張食
塩水を比較した重症患者を対象とした最近の大規模試験でも、デンプン溶液の使用により腎代替
療法が増加することが報告されている。この研究は、生理食塩水の腎臓への影響の可能性と、以
前の研究と同様に、患者がすでに部分的な蘇生が達成された後に試験液を投与された可能性を考
えると、解釈がより困難であると思われる。
(2)公表文献
MEDLINE 及び医中誌(検索条件は別添 4-2)を用いて得られた結果から、重症患者に HES 製剤
を投与後、転帰として死亡、AKI 又は RRT について検討している文献を調査した結果は別添 3-2
のとおりであり、26 報が確認された。死亡リスクが有意に高かった文献は 1 報(文献 No.1)で重
症敗血症患者に関する文献であった。AKI 又は RRT 導入リスクが有意に高かった文献は 3 報(文
献 No.1、2、3)であり、待機的な股関節・膝関節全置換術を受けた患者、同所性肝移植患者、重
症敗血症患者に関する文献であった。また、ICU に入院した外傷患者における AKI 発現リスク因
子に HES があった文献が 1 報(文献 No.4)あった。死亡、AKI 又は RRT について検討していた
が HES 投与による影響が認められなかった又は HES 投与がリスク因子ではなかった文献は 22 報
(文献 No.5-26)あった。
(3)国内における使用実態及び副作用報告状況
HES130 の使用成績調査において、1 例の重症患者※1 に対し HES が投与されていたが、当該症
例に副作用の発現はなかった。自発報告においては、重症患者に対し HES70 が投与された報告が
1 例認められたが、当該症例に副作用の発現はなく※2、HES130 が投与された報告はなかった。
医中誌(検索条件は別添 5-2)を用いて、HES 製剤を重症患者へ投与した国内使用実態を調査し
た結果、国内において重症患者に対して HES 製剤を投与された文献は 1 報 18)確認された。
当該文献では、重症の好酸球性副鼻腔炎患者 1 例に対して HES130 が投与され、副作用(アナ
フィラキシー)が発現した。
※1:報告医師が、原疾患・基礎疾患、合併症、既往歴等の疾患名から「重症」と判断した症例
※2:有害事象として報告されたが、最終的に副作用と判断されなかった
3.3
重度の肝機能障害患者について
(1)国内外の標準的な教科書、ガイドラインにおける記載状況
重度の肝機能障害患者に対する HES 製剤の投与についての記載はなかった。
(2)公表文献
MEDLINE 及び医中誌(検索条件は別添 4-3)を用いて、重度の肝機能障害に対する HES 製剤投
与に関する公表文献について調査した結果は別添 3-3 のとおりであり、2 報が確認されたが、いず
れの文献でも腎障害、死亡等の安全性リスクの上昇は認められなかった。
18)許
芳行. 日本鼻科学会会誌 2018; 57: 121-5.
10
重症敗血症における腎代替療法の必要性に同様の効果があることが示されている。HES と等張食
塩水を比較した重症患者を対象とした最近の大規模試験でも、デンプン溶液の使用により腎代替
療法が増加することが報告されている。この研究は、生理食塩水の腎臓への影響の可能性と、以
前の研究と同様に、患者がすでに部分的な蘇生が達成された後に試験液を投与された可能性を考
えると、解釈がより困難であると思われる。
(2)公表文献
MEDLINE 及び医中誌(検索条件は別添 4-2)を用いて得られた結果から、重症患者に HES 製剤
を投与後、転帰として死亡、AKI 又は RRT について検討している文献を調査した結果は別添 3-2
のとおりであり、26 報が確認された。死亡リスクが有意に高かった文献は 1 報(文献 No.1)で重
症敗血症患者に関する文献であった。AKI 又は RRT 導入リスクが有意に高かった文献は 3 報(文
献 No.1、2、3)であり、待機的な股関節・膝関節全置換術を受けた患者、同所性肝移植患者、重
症敗血症患者に関する文献であった。また、ICU に入院した外傷患者における AKI 発現リスク因
子に HES があった文献が 1 報(文献 No.4)あった。死亡、AKI 又は RRT について検討していた
が HES 投与による影響が認められなかった又は HES 投与がリスク因子ではなかった文献は 22 報
(文献 No.5-26)あった。
(3)国内における使用実態及び副作用報告状況
HES130 の使用成績調査において、1 例の重症患者※1 に対し HES が投与されていたが、当該症
例に副作用の発現はなかった。自発報告においては、重症患者に対し HES70 が投与された報告が
1 例認められたが、当該症例に副作用の発現はなく※2、HES130 が投与された報告はなかった。
医中誌(検索条件は別添 5-2)を用いて、HES 製剤を重症患者へ投与した国内使用実態を調査し
た結果、国内において重症患者に対して HES 製剤を投与された文献は 1 報 18)確認された。
当該文献では、重症の好酸球性副鼻腔炎患者 1 例に対して HES130 が投与され、副作用(アナ
フィラキシー)が発現した。
※1:報告医師が、原疾患・基礎疾患、合併症、既往歴等の疾患名から「重症」と判断した症例
※2:有害事象として報告されたが、最終的に副作用と判断されなかった
3.3
重度の肝機能障害患者について
(1)国内外の標準的な教科書、ガイドラインにおける記載状況
重度の肝機能障害患者に対する HES 製剤の投与についての記載はなかった。
(2)公表文献
MEDLINE 及び医中誌(検索条件は別添 4-3)を用いて、重度の肝機能障害に対する HES 製剤投
与に関する公表文献について調査した結果は別添 3-3 のとおりであり、2 報が確認されたが、いず
れの文献でも腎障害、死亡等の安全性リスクの上昇は認められなかった。
18)許
芳行. 日本鼻科学会会誌 2018; 57: 121-5.
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