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資料3-2 ヒドロキシエチルデンプン調査結果報告書 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29975.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第22回 12/27)《厚生労働省》 |
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現行添付文書にも引用されている HES のリスクに関する海外臨床試験
2)、4)
の対象患者は重
症敗血症患者 20)及び敗血症を含む ICU 入院患者であること
現時点で HES のリスクが示されている主な臨床試験の対象患者は、重症敗血症患者であり、
その他の敗血症患者における HES のリスクは現時点で不明であること
現行の添付文書でも使用されている「重症敗血症」については、日本版敗血症診療ガイドラ
インの変遷に伴い、2016 年版
21)
から敗血症の定義が「感染によって発症した全身性炎症反
応症候群(systemic inflammatory response syndrome;SIRS)」から「感染症によって重篤な臓器
障害が引き起こされる状態」に変更され、「重症敗血症」の定義は削除されていることから、
「重症敗血症」と設定することは適切ではないと考えること
日本版敗血症診療ガイドライン 2020 9)に「敗血症は、原因、重症度、病期、併存症や合併症
などによって大きな多様性を生じる病態である。臨床においては、患者の病状はもちろんの
こと、医療者のマンパワーやリソース、患者・家族の意向など、個々の患者において、臨床
家による適切な判断が必要である。
」と記載されており、敗血症の重症度については、現行の
ガイドラインで推奨されている(sequential【sepsis-related】organ failure assessment(SOFA)ス
コア及び quick SOFA(qSOFA)スコアのみならず、医療現場で適切に判断されるものと考え
ること
HES の敗血症患者に対するリスクにかかる主な文献は、現行の添付文書に引用されている海
外臨床試験 2)及び 2013 年の PRAC 勧告後に、敗血症患者への死亡リスクに対する HES の影
響が報告された 3 文献(「Ⅲ. 3.1 (2)公表文献」参照)である。2013 年の PRAC 勧告後に、
敗血症患者への死亡リスクに対する HES の影響が報告された 3 文献のうち、2 報はシステマ
チックレビューであり、1 報はショック患者対象の試験で敗血症の定義が明示されていない
ことから、禁忌と設定する「重症の敗血症の患者」を医療現場で判断する際には、現行の添
付文書に引用されている海外臨床試験 2)が最も参考になると考えられるため、当該臨床試験
の対象患者を添付文書にて情報提供することが適切と考えたこと
20)重症敗血症は以下のように定義されている。
少なくとも 1 つの臓器不全(=SOFA スコア 2 超)を呈する敗血症*(敗血症発症の 48 時間前にすでに臓器不
全があった場合を除く)
*敗血症:以下の①かつ②
①血液若しくは無菌部位で増殖した微生物により確認された感染、又は膿瘍若しくは感染組織(例:肺炎、
腹膜炎、尿路、血管線感染、軟部組織など)により確認された感染
②全身性炎症反応症候群(SIRS)基準**を有する
**SIRS:以下の基準のうち、少なくとも 2 つ該当
(1)体温 38℃超 又は 36℃未満(体温は直腸、膀胱、中心ライン、鼓膜のいずれかで測定)。口腔温、鼠径温、
腋窩温を使用する場合は、測定値に 0.5℃を加える。36℃未満の低体温症は、直腸、膀胱、中心ライン、鼓膜の
いずれかのみで確認する必要がある。無作為化前の 24 時間に記録された最も危険な値を使用する。
(2)心拍数 90 拍/分以上。心房性不整脈がある場合は、心室性心拍数を記録する。患者が既知の症状を有する
か、頻脈を防ぐ治療(例えば、心臓ブロックやβブロッカー)を受けている場合、残りの 3 つの SIRS 基準のう
ち 2 つを満たす必要がある。無作為化前の 24 時間に記録された最も危険な値を使用する。
(3)呼吸数 20 回/分超、PaCO24.3kPa(32mmHg)未満、又は急性期の機械的換気。無作為化前の 24 時間に記録
された呼吸数又は PaCO2 のうち、最も悪化したものを使用する。
(4)白血球数 12×109/L 以上、4×109/L 未満、又は未熟な好中球(バンドフォーム)10%以上。無作為化前の
24 時間に記録された最も悪化した値を使用する
21)「日本版敗血症診療ガイドライン 2016」日本集中治療医学会・日本救急医学会(2016 年)
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現行添付文書にも引用されている HES のリスクに関する海外臨床試験
2)、4)
の対象患者は重
症敗血症患者 20)及び敗血症を含む ICU 入院患者であること
現時点で HES のリスクが示されている主な臨床試験の対象患者は、重症敗血症患者であり、
その他の敗血症患者における HES のリスクは現時点で不明であること
現行の添付文書でも使用されている「重症敗血症」については、日本版敗血症診療ガイドラ
インの変遷に伴い、2016 年版
21)
から敗血症の定義が「感染によって発症した全身性炎症反
応症候群(systemic inflammatory response syndrome;SIRS)」から「感染症によって重篤な臓器
障害が引き起こされる状態」に変更され、「重症敗血症」の定義は削除されていることから、
「重症敗血症」と設定することは適切ではないと考えること
日本版敗血症診療ガイドライン 2020 9)に「敗血症は、原因、重症度、病期、併存症や合併症
などによって大きな多様性を生じる病態である。臨床においては、患者の病状はもちろんの
こと、医療者のマンパワーやリソース、患者・家族の意向など、個々の患者において、臨床
家による適切な判断が必要である。
」と記載されており、敗血症の重症度については、現行の
ガイドラインで推奨されている(sequential【sepsis-related】organ failure assessment(SOFA)ス
コア及び quick SOFA(qSOFA)スコアのみならず、医療現場で適切に判断されるものと考え
ること
HES の敗血症患者に対するリスクにかかる主な文献は、現行の添付文書に引用されている海
外臨床試験 2)及び 2013 年の PRAC 勧告後に、敗血症患者への死亡リスクに対する HES の影
響が報告された 3 文献(「Ⅲ. 3.1 (2)公表文献」参照)である。2013 年の PRAC 勧告後に、
敗血症患者への死亡リスクに対する HES の影響が報告された 3 文献のうち、2 報はシステマ
チックレビューであり、1 報はショック患者対象の試験で敗血症の定義が明示されていない
ことから、禁忌と設定する「重症の敗血症の患者」を医療現場で判断する際には、現行の添
付文書に引用されている海外臨床試験 2)が最も参考になると考えられるため、当該臨床試験
の対象患者を添付文書にて情報提供することが適切と考えたこと
20)重症敗血症は以下のように定義されている。
少なくとも 1 つの臓器不全(=SOFA スコア 2 超)を呈する敗血症*(敗血症発症の 48 時間前にすでに臓器不
全があった場合を除く)
*敗血症:以下の①かつ②
①血液若しくは無菌部位で増殖した微生物により確認された感染、又は膿瘍若しくは感染組織(例:肺炎、
腹膜炎、尿路、血管線感染、軟部組織など)により確認された感染
②全身性炎症反応症候群(SIRS)基準**を有する
**SIRS:以下の基準のうち、少なくとも 2 つ該当
(1)体温 38℃超 又は 36℃未満(体温は直腸、膀胱、中心ライン、鼓膜のいずれかで測定)。口腔温、鼠径温、
腋窩温を使用する場合は、測定値に 0.5℃を加える。36℃未満の低体温症は、直腸、膀胱、中心ライン、鼓膜の
いずれかのみで確認する必要がある。無作為化前の 24 時間に記録された最も危険な値を使用する。
(2)心拍数 90 拍/分以上。心房性不整脈がある場合は、心室性心拍数を記録する。患者が既知の症状を有する
か、頻脈を防ぐ治療(例えば、心臓ブロックやβブロッカー)を受けている場合、残りの 3 つの SIRS 基準のう
ち 2 つを満たす必要がある。無作為化前の 24 時間に記録された最も危険な値を使用する。
(3)呼吸数 20 回/分超、PaCO24.3kPa(32mmHg)未満、又は急性期の機械的換気。無作為化前の 24 時間に記録
された呼吸数又は PaCO2 のうち、最も悪化したものを使用する。
(4)白血球数 12×109/L 以上、4×109/L 未満、又は未熟な好中球(バンドフォーム)10%以上。無作為化前の
24 時間に記録された最も悪化した値を使用する
21)「日本版敗血症診療ガイドライン 2016」日本集中治療医学会・日本救急医学会(2016 年)
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