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資料3-2 ヒドロキシエチルデンプン調査結果報告書 (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29975.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第22回 12/27)《厚生労働省》 |
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析使用)、重篤な副作用(重篤な出血)
エビデンスの要約
•
システマティックレビューの結果、PICO に合致したランダム化比較試験(RCT)が 4 件施行
されており、これらを用いたメタ解析を実施した。
益と害のバランス
•
望ましい効果:短期死亡のアウトカム(4 RCT: n = 2,586)の効果推定値とその信頼区
間は、1,000 人あたり 9 人多い(25 人少ない~46 人多い)であり、長期死亡のアウト
カム(3 RCT: n=2,545)の効果推定値とその信頼区間は、1,000 人あたり 19 人多い(62
人少ない~123 人多い)である。ICU 滞在日数のアウトカム(2 RCT: n=214)の効果推
定値とその信頼区間は、平均(MD)1,000 人あたり 1.13 日短い(8.28 日短い~6.03 日
長い)である。以上より、人工膠質液投与による望ましい効果はわずかであると判断し
た。
望ましくない効果:急性腎障害に伴う透析使用のアウトカム(4 RCT: n=3,891)の効果
推定値とその信頼区間は、1,000 人あたり 16 人多い(24 人少ない~71 人多い)であり、
重篤な出血のアウトカム(2 RCT: n=994)の効果推定値とその信頼区間は,1,000 人あ
たり 42 人多い(3 人多い~97 人多い)である。以上より、人工膠質液投与による望ま
しくない効果は「中」と判断した。
益と害のバランス:益と害の正味のバランスは 1,000 人あたり 86 人、害が上回る。短期
死亡に関する不確実性を考慮し、信頼区間の最小値(1,000 人あたり 25 人少ない)を用
いて、死亡に関連するアウトカムの相対価値を他のアウトカムの 3 倍としても、1,000 人
あたり 2 人、害が上回る。以上より、効果のバランスは「比較がおそらく優位」と判断
した。
アウトカム全般に関するエビデンスの確実性
•
今回採用したアウトカムの効果推定値の方向性は一致していないため、エビデンスの確実性は
最も低いアウトカムの結果を採用し、「非常に低」とした。
②
麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドラインⅦ輸液・電解質液 第 3 版第 4 訂 12)
低濃度、低分子量、低置換度のヒドロキシエチルデンプン製剤では影響は少ないとされているが、
最近、腎機能障害については 10%ヒドロキシエチルデンプン製剤などの高膠質浸透圧製剤を敗血
症患者に使用した場合に指摘されている。
③
MGH 麻酔の手引 第 7 版 13)
重症敗血症の患者へのヒドロキシエチルデンプン使用で死亡率の上昇がみられ、現在ではほと
んど使用されていない。
12)「麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドラインⅦ輸液・電解質液
第 3 版第 4 訂」日本麻酔科学会(2018 年)
https://anesth.or.jp/users/person/guide_line/medicine
https://anesth.or.jp/files/pdf/infusion_electrolyte_solution_20190905.pdf
13)「MGH 麻酔の手引 第 7 版」稲田 英一監訳(2017 年)メディカル・サイエンス・インターナショナル
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エビデンスの要約
•
システマティックレビューの結果、PICO に合致したランダム化比較試験(RCT)が 4 件施行
されており、これらを用いたメタ解析を実施した。
益と害のバランス
•
望ましい効果:短期死亡のアウトカム(4 RCT: n = 2,586)の効果推定値とその信頼区
間は、1,000 人あたり 9 人多い(25 人少ない~46 人多い)であり、長期死亡のアウト
カム(3 RCT: n=2,545)の効果推定値とその信頼区間は、1,000 人あたり 19 人多い(62
人少ない~123 人多い)である。ICU 滞在日数のアウトカム(2 RCT: n=214)の効果推
定値とその信頼区間は、平均(MD)1,000 人あたり 1.13 日短い(8.28 日短い~6.03 日
長い)である。以上より、人工膠質液投与による望ましい効果はわずかであると判断し
た。
望ましくない効果:急性腎障害に伴う透析使用のアウトカム(4 RCT: n=3,891)の効果
推定値とその信頼区間は、1,000 人あたり 16 人多い(24 人少ない~71 人多い)であり、
重篤な出血のアウトカム(2 RCT: n=994)の効果推定値とその信頼区間は,1,000 人あ
たり 42 人多い(3 人多い~97 人多い)である。以上より、人工膠質液投与による望ま
しくない効果は「中」と判断した。
益と害のバランス:益と害の正味のバランスは 1,000 人あたり 86 人、害が上回る。短期
死亡に関する不確実性を考慮し、信頼区間の最小値(1,000 人あたり 25 人少ない)を用
いて、死亡に関連するアウトカムの相対価値を他のアウトカムの 3 倍としても、1,000 人
あたり 2 人、害が上回る。以上より、効果のバランスは「比較がおそらく優位」と判断
した。
アウトカム全般に関するエビデンスの確実性
•
今回採用したアウトカムの効果推定値の方向性は一致していないため、エビデンスの確実性は
最も低いアウトカムの結果を採用し、「非常に低」とした。
②
麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドラインⅦ輸液・電解質液 第 3 版第 4 訂 12)
低濃度、低分子量、低置換度のヒドロキシエチルデンプン製剤では影響は少ないとされているが、
最近、腎機能障害については 10%ヒドロキシエチルデンプン製剤などの高膠質浸透圧製剤を敗血
症患者に使用した場合に指摘されている。
③
MGH 麻酔の手引 第 7 版 13)
重症敗血症の患者へのヒドロキシエチルデンプン使用で死亡率の上昇がみられ、現在ではほと
んど使用されていない。
12)「麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドラインⅦ輸液・電解質液
第 3 版第 4 訂」日本麻酔科学会(2018 年)
https://anesth.or.jp/users/person/guide_line/medicine
https://anesth.or.jp/files/pdf/infusion_electrolyte_solution_20190905.pdf
13)「MGH 麻酔の手引 第 7 版」稲田 英一監訳(2017 年)メディカル・サイエンス・インターナショナル
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