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資料3-2 ヒドロキシエチルデンプン調査結果報告書 (14 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29975.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第22回 12/27)《厚生労働省》 |
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与を禁忌とすることが適切と判断した。
1.
敗血症患者について
HES130 の国内添付文書では、現在「警告」の項に「重症敗血症等の重症患者管理における相対
的な循環血液量低下で本剤を使用した場合には、患者の状態を悪化させるおそれがあるため、治
療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。
」と記載されている。
しかし、その後 2013 年検討時以降に報告された文献においても死亡のリスクが認められている
こと、国内外の標準的な教科書、ガイドラインにおける記載状況を踏まえ、今般、国内添付文書
においても敗血症患者を禁忌に設定する。なお、国内の HES130 の使用成績調査及び自発報告に
おいては敗血症患者への投与は確認されていない。
HES70 については、製造販売承認された効能・効果から敗血症患者への投与は通常想定されな
いが、大量出血があり絶対的循環血液量低下が考えられる場合には、効能・効果の範囲内である。
しかしながら、出血多量を伴う敗血症患者への HES 製剤を投与したとしても、末梢血管透過性の
異常な亢進により循環血液量の回復は望めず、HES 製剤による腎機能の悪化のおそれもあると考
える。HES130 を禁忌と設定する理由に加えて、上記も踏まえ、HES70 についても HES130 と同様
に敗血症患者への投与を禁忌とすることが適切と考えた。なお、国内の HES70 の自発報告におい
ては敗血症患者への投与は確認されていない。
2.
重症患者について
HES130 の国内添付文書では「警告」の項に「重症敗血症等の重症患者管理における相対的な循
環血液量低下で本剤を使用した場合には、患者の状態を悪化させるおそれがあるため、治療上の
有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。」と記載されている。また、HES70 の国内添付
文書では「用法・用量に関連する使用上の注意」の項に「重症敗血症等の重症患者管理における
相対的な循環血液量低下には使用しないこと」と記載されている。2013 年の検討以降に重症患者
に関する死亡、AKI 又は RRT について検討された文献を調査した。重症患者のうち、敗血症患者
以外の重症患者については、死亡のリスク上昇が確認された報告はなく、AKI 発現や RRT 導入の
リスクが上昇した報告はあるものの、その重症患者集団は様々であり、また、AKI 発現や RRT 導
入のリスク上昇を示さなかった報告もあり、結果に一貫性がない。
そのため、重症患者を一律に禁忌とする又は重症患者のうち特定の患者集団を新たに禁忌に設
定する根拠は乏しいと考える。なお、HES130 の使用成績調査及び国内文献において、それぞれ 1
例の重症患者に対して HES が投与されていたが、副作用の発現が認められなかったことを確認し
ている。
以上より、HES130 及び HES70 いずれに関しても、現時点では、重症患者に対して追加の安全
対策を講じる必要性は低いと考える。
3.
その他の検討対象患者について
敗血症患者及び重症患者以外の検討対象患者に対する、HES 製剤投与による死亡等のリスクが
上昇する旨の報告は確認できないか、又は複数の報告において結果に一貫性がなかった。また、
敗血症患者及び重症患者以外の検討対象患者においては、腎不全患者への HES 投与の副作用報告
14
1.
敗血症患者について
HES130 の国内添付文書では、現在「警告」の項に「重症敗血症等の重症患者管理における相対
的な循環血液量低下で本剤を使用した場合には、患者の状態を悪化させるおそれがあるため、治
療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。
」と記載されている。
しかし、その後 2013 年検討時以降に報告された文献においても死亡のリスクが認められている
こと、国内外の標準的な教科書、ガイドラインにおける記載状況を踏まえ、今般、国内添付文書
においても敗血症患者を禁忌に設定する。なお、国内の HES130 の使用成績調査及び自発報告に
おいては敗血症患者への投与は確認されていない。
HES70 については、製造販売承認された効能・効果から敗血症患者への投与は通常想定されな
いが、大量出血があり絶対的循環血液量低下が考えられる場合には、効能・効果の範囲内である。
しかしながら、出血多量を伴う敗血症患者への HES 製剤を投与したとしても、末梢血管透過性の
異常な亢進により循環血液量の回復は望めず、HES 製剤による腎機能の悪化のおそれもあると考
える。HES130 を禁忌と設定する理由に加えて、上記も踏まえ、HES70 についても HES130 と同様
に敗血症患者への投与を禁忌とすることが適切と考えた。なお、国内の HES70 の自発報告におい
ては敗血症患者への投与は確認されていない。
2.
重症患者について
HES130 の国内添付文書では「警告」の項に「重症敗血症等の重症患者管理における相対的な循
環血液量低下で本剤を使用した場合には、患者の状態を悪化させるおそれがあるため、治療上の
有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。」と記載されている。また、HES70 の国内添付
文書では「用法・用量に関連する使用上の注意」の項に「重症敗血症等の重症患者管理における
相対的な循環血液量低下には使用しないこと」と記載されている。2013 年の検討以降に重症患者
に関する死亡、AKI 又は RRT について検討された文献を調査した。重症患者のうち、敗血症患者
以外の重症患者については、死亡のリスク上昇が確認された報告はなく、AKI 発現や RRT 導入の
リスクが上昇した報告はあるものの、その重症患者集団は様々であり、また、AKI 発現や RRT 導
入のリスク上昇を示さなかった報告もあり、結果に一貫性がない。
そのため、重症患者を一律に禁忌とする又は重症患者のうち特定の患者集団を新たに禁忌に設
定する根拠は乏しいと考える。なお、HES130 の使用成績調査及び国内文献において、それぞれ 1
例の重症患者に対して HES が投与されていたが、副作用の発現が認められなかったことを確認し
ている。
以上より、HES130 及び HES70 いずれに関しても、現時点では、重症患者に対して追加の安全
対策を講じる必要性は低いと考える。
3.
その他の検討対象患者について
敗血症患者及び重症患者以外の検討対象患者に対する、HES 製剤投与による死亡等のリスクが
上昇する旨の報告は確認できないか、又は複数の報告において結果に一貫性がなかった。また、
敗血症患者及び重症患者以外の検討対象患者においては、腎不全患者への HES 投与の副作用報告
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