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資料3-2   ヒドロキシエチルデンプン調査結果報告書 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29975.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第22回 12/27)《厚生労働省》
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設(100%、57.1%)であった。また、敗血症(0.97%)に使用されたのは 18 例(6 カ国・地域、
10 施設)であり、うち 7 例は、他の禁忌対象患者でもあった(うち腎障害 3 例、重度の凝固異
常 3 例、重度の肝障害 2 例、腎代替療法 2 例、脱水 1 例)。
用法・用量の不遵守は全体の 0.16%(3 例/1820 例)であった。



DUS の結果を踏まえ、PRAC は主に以下の理由から、HES 製剤のベネフィット・リスクバラン
スが保たれないとして 2022 年 2 月に販売承認停止を勧告し、2022 年 5 月に EC が販売中止を決定
した。
死亡のリスク上昇が示されている禁忌の患者集団に、HES 製剤が使用されていることは、公衆



衛生上の重大な懸念であること。
EU の製品情報に記載された効能・効果、禁忌、用法・用量に対する不遵守は、2013 年及び 2018



年に作成した医療従事者向けの資材のさらなる改訂や医療従事者への年毎のトレーニングと
いった企業が提案した追加の安全対策措置を行ったとしても十分な効果を発揮する可能性は
低いこと。
添付文書改訂、さらなる使用制限等の HES 製剤を安全に使用するためのさらなるリスク最小



化策は特定できないこと。
リスク最小化策の遵守状況に関する追加の調査を行った場合でも、DUS への参加に関心を示



す施設が限られること等から、意味のある結果をもたらなさない懸念があること。そのため、
適正使用を確認できないこと。
3. 国内における HES 製剤投与に対する追加の安全対策の必要性について
前述のように、国内では、使用方法の不遵守に関する問題は確認しておらず、2018 年には、EU
の措置を契機に適正使用のお願いに関する資材を作成のうえ、医療現場に情報提供を行っている。
今般、HES130 の SmPC では禁忌に設定されているが国内添付文書では禁忌に設定されていない
患者集団が複数認められること(別添 1 参照)から、当該患者集団(敗血症患者、重症患者、重
度の肝機能障害患者、重度の凝固障害患者、熱傷患者、脱水患者、臓器移植患者及び腎不全患者
7)

(以下、
「検討対象患者」
))に対する HES 製剤投与の安全性について改めて確認し、追加の安全

対策の必要性について検討することとした。なお、2018 年の PRAC による HES 製剤の販売中止
勧告以降、HES130 の国内における適応外使用(禁忌患者への投与も含む)は 4 例のみであり、製
造販売承認取得者は国内において適正使用は遵守されている状況であると説明している。
検討対象患者への HES 製剤の投与に関し、EU の禁忌設定根拠(「Ⅱ.今回の調査の経緯」参照)、
並びに 2022 年 5 月 31 日時点の国内外の標準的な教科書及びガイドライン
7)SmPC

8)

における記載状況、

及び国内添付文書における腎不全患者に関する禁忌は、以下のとおり。
SmPC:Renal impairment or renal replacement therapy
国内添付文書(HES130):乏尿あるいは無尿を伴う腎不全の患者、透析治療を受けている患者
国内添付文書(HES70):乏尿等を伴う腎障害又は脱水状態のある患者
8) 確認した標準的な教科書及びガイドラインは以下のとおり。
・「血液製剤の使用指針」厚生労働省医薬・生活衛生局(2019 年)
・「日本版敗血症診療ガイドライン 2020」日本集中治療医学会・日本救急医学会(2020 年)
・「MGH 麻酔の手引 第 7 版」稲田 英一監訳(2017 年)メディカル・サイエンス・インターナショナル

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