・受託薬局の業務体制の適格性を確認するための調査は、委託薬局自らによる調査、または委
託薬局から依頼を受けた受託薬局から独立した事業者等による調査等が考えられる。
3.2.1.2 適格性の確認を行う上での留意点

・委託薬局は、受託薬局が医薬品医療機器等法の許可を受けた薬局として適切にサービスを提
供していることと共に、調剤業務の一部外部委託に係る業務を質的・量的に遂行できるか否
かを判断すること。
・委託薬局は、調剤業務の一部外部業務が継続的かつ安全・確実に遂行できることを判断する
ため、受託薬局における定期的な自己点検や外部監査などの品質マネジメントシステムが実
施されていることを確認すること（4.2 受託薬局に求められる体制整備 参照）。
・委託薬局は、調剤業務の一部外部委託に係る受託薬局の適格性について、QCD（品質・コス
ト・納期）の側面だけでなく、受託薬局が行っている事業やサービスの継続性（受託薬局及
びその開設者の事業計画、財務基盤など）等、多様な視点から確認すること。これらの評価
軸をリスト化し、項目ごとに関係する委託薬局内の関係部署が関わる承認プロセスを組むこ
となどにより、調剤業務の一部外部委託に伴うリスクを確認することができ、リスク低減に
効果があると考えられる。
・委託薬局は、受託薬局の選定に係るプロセスや薬局内（必要に応じて、法人内）の体制を明
確化しておくこと。
・委託薬局、受託薬局の関係性として、どちらかが取引上の優越的地位にないこと。取引上の
地位の優位性がある場合、品質を含め、医薬品の提供に影響を与える可能性について考慮す
ること。
3.2.1.3 適格性の定期的な確認と見直し

・委託薬局は、受託薬局と調剤業務の一部外部委託に係る契約を締結する前に、業務委託の開
始後に受託薬局の適格性を委託薬局が定期的に確認する仕組みを構築しておくこと。
・患者へ薬剤交付が確実に行われるために、緊急時対応や受託薬局の機能の低下等の外部委託
に伴うリスクを低減するために、複数の受託薬局を選定しておくことが重要である。

3.2.2 契約
3.2.2.1 契約に関する留意点注 2

・委託薬局は、調剤業務の一部外部委託として一包化に関する業務の一部作業を委託すること
について、あらかじめ受託薬局と契約を締結すること。
・当該内容に基づく業務内容は、一包化に関する業務の一部作業として、一包化に必要な医薬
品の準備、一包化作業、薬包への印字、一包化された薬剤の確認、当該薬剤に係る作業完了
に係る連絡・報告、薬剤の発送等の一連の行為であり、一部の行為のみを委託するものでは
ないこと。また、受託薬局から他の薬局に、その一部または全部を委託すること（再委託）
はできないこと。
・調剤業務の一部外部委託に係る契約は薬局開設者間によって締結されることになるが、薬局
の管理は管理者である薬剤師の責任の下に行われていることから、契約にあたっては当該薬
局の管理者が当該契約内容を承諾していることを契約書内で明確にすること。

11