参考資料3 薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shiryo_240205.html |
出典情報 | 新薬剤師養成問題懇談会(第23回 2/5)《厚生労働省》 |
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「C-1 化学物質の物理化学的性質」及び「C-3 薬学の中の有機化学」で、疾患の予防・治
療に使われる医薬品分子とそれが作用する生体分子に関する物理化学的・化学的な性状につ
いて学修し、その後、「C-4 薬学の中の医薬品化学」によって、医薬品分子と生体分子の反
応について学修する。一方、「C-6 生命現象の基礎」でヒト生体を構成する基本単位である
細胞の性状と恒常性を学修する。こうして医薬品と生体の基礎が作られ、「C-7 人体の構造
と機能及びその調節」で、構成する細胞、組織及び器官の構成と恒常的機能について学修す
ることによって、疾患の予防や治療に関する後継科目を理解する基盤が形成される。更に
「C-1 化学物質の物理化学的性質」及び「C-3 薬学の中の有機化学」の学修をもとに、医療
現場で必要な「C-2 医薬品及び化学物質の分析法と医療現場における分析法」、また漢方治
療などで必要な天然由来医薬品について「C-5 薬学の中の生薬学・天然物化学」で学修する。
こうして、「D 医療薬学」、「E 衛生薬学」、「G 薬学研究」の学修の基盤が形成され「C
基礎薬学」の専門知識は「B 社会と薬学」のバックボーンとなり、医師・歯科医師・看護師
を含む多くの医療人のなかでの薬剤師としてのアイデンティティを形成するうえで重要な要
素になる。さらに「C 基礎薬学」はこれらの大項目の理解の基盤に止まらず、「G 薬学研究」
における研究の対象でもある。
○「A 薬剤師として求められる基本的な資質・能力」とのつながり
大項目「C 基礎薬学」は、「D 医療薬学」、「E 衛生薬学」、「F 臨床薬学」、「G 薬学
研究」を学ぶための科学的根幹であり、この根幹形成があってこそ、「A 薬剤師として求め
られる基本的な資質・能力」に掲げられている[科学的探究]、[専門知識に基づいた問題
解決能力]、[情報・科学技術を活かす能力]、[薬物治療の実践的能力]を生涯にわたっ
て研鑽し続けることが可能になる。また、この根幹の形成と医療現場での活用によって、医
師、歯科医師、看護師等の他の医療職とは異なる、薬剤師として求められる、基礎薬学に裏
打ちされた専門性の発揮につながっていく。この専門性の発揮のための能力を獲得するのが
本大項目での学修である。
○評価の指針の作成方針
薬剤師となるための科学的基盤である「C-1 化学物質の物理化学的性質」、「C-3 薬学の
中の有機化学」、「C-6 生命現象の基礎」で、いわゆる物理化学、無機化学・有機化学、生
物・生化学の個々の科目の学修の評価、並びに「C-2 医薬品及び化学物質の分析法と医療現
場における分析法」、「C-4 薬学の中の医薬品化学」、及び「C-5 薬学の中の生薬学・天然
物化学」、「C-7 人体の構造と機能及びその調節」で、分析科学、医薬品化学、生薬学・天
然物化学、解剖・生理学の個々の科目の学修の評価を行うことに加えて、物理化学、無機化
学・有機化学、生物・生化学の学修の統合と応用を意図した評価の指針を作成した。
「D 医療薬学」
○作成方針
今回の改訂における本大項目は、「B 社会と薬学」における薬剤師の責務と社会との関係
を十分認識した上で、責任ある薬物治療を実践するための基本を学修することにある。この
ため、本項目では「C 基礎薬学」で学んだ物性、化学構造、生体の恒常性などの基本的な内
容を理解した上で、一般論としての疾患の病態生理と薬物の作用のメカニズムを関連付けた
系統的な理解、ガイドライン等による標準化された治療方針を学ぶと共に、根拠に基づく医
療を提供するために、医薬品情報を活用した薬物の有効性・安全性の基本的な評価、薬物動
態の理論の理解、適切な用法・用量・剤形の選択と処方箋による調剤の基本を修得し、「F
臨床薬学」で患者個々の薬物療法の実践につなげる学力を培う。また、「E 衛生薬学」で求
められる薬剤師のもう一つの重要な使命である地域における予防、衛生を実施する際の基本
となる事項を身に付けることを念頭に置いて作成した。
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