参考資料3 薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (43 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shiryo_240205.html |
出典情報 | 新薬剤師養成問題懇談会(第23回 2/5)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
機構を学び、人体の正常な営みを把握することで、人体を構成する各器官の不調によって生じ
る病態や疾患及びその治療薬が作用する仕組みを理解するための基盤となる知識を修得する。
分析科学、有機化学、生命科学の内容をもとに、人体が有機化合物を要素とする細胞から構
成され、多くの有機化合物が関与する生化学的反応によって生命活動が営まれていることを理
解する。また、診断画像に表れる構造の特徴を理解する解剖学的知識も修得する。こうして、
細胞・組織・器官から構成される12の器官系が相互に連携しながら人体全体として調和のとれ
た調節及び恒常性維持がなされていることを把握し、「D 医療薬学」、「E 衛生薬学」、「F
臨床薬学」における学修の基盤を形成する。
<「A 薬剤師として求められる基本的な資質・能力」とのつながり>
大項目「C 基礎薬学」は、「D 医療薬学」、「E 衛生薬学」、「F 臨床薬学」、「G 薬学研
究」を学ぶための科学的根幹であり、この根幹形成があってこそ、「A 薬剤師として求められ
る基本的な資質・能力」に掲げられている[科学的探究]、[専門知識に基づいた問題解決能
力]、[情報・科学技術を活かす能力]、[薬物治療の実践的能力]を生涯にわたって研鑽し
続けることが可能になる。また、この根幹の形成と医療現場での活用によって、医師・歯科医
師・看護師等の他の医療職とは異なる、薬剤師として求められる、基礎薬学に裏打ちされた専
門性の発揮につながってゆく。この専門性の発揮のための能力を獲得するのが本大項目での学
修である。
<評価の指針>
1. 化学物質等の相互作用や酵素反応等の進行の様式や機構について説明する。
2. 医薬品を含む化学物質の分析法及び医療現場で用いられる分析技術について、その原理や
特徴を説明する。
3. 物理化学及び分析科学における学修内容が医療における薬剤師の職能にどのようにつなが
るのかを考察する。
4. 医薬品等を物質(有機化合物あるいは無機化合物)として捉え、その物理的性質、化学的性
質を説明する。
5. 有機化合物の構造と反応性を化学構造式に基づいて説明する。
6. 薬剤師業務で取り扱われる試験法や解析について、化学的な理解に基づいて的確に説明す
る。
7. 有機化合物の生体内でのふるまいを化学構造式に基づいて説明する。
8. 臨床で使用される医薬品の主作用、副作用、薬物動態等の特徴を、化学構造式に基づいて
説明する。
9. 天然物や生薬を起源とする医薬品が開発された背景を説明する。
10.有機化学、医薬品化学、生薬学・天然物化学が、薬剤師業務でどのように役立つか説明す
る。
11.疾患及びその予防・治療の有効性の理解につながる生命活動の恒常性維持を説明する。
12.新規予防・治療法の開発に関して生命体の恒常性維持の面から考察する。
13.人体を構成する細胞内では多くの有機化合物が関与する生化学的反応によって生命活動が
営まれ、また、恒常性維持のための調節にも有機化合物が関与していることを説明する。
14.人体が12の器官系からなり、それら器官系の連携によって生体恒常性が維持・調節されて
いることを説明する。
15.器官系やその連携が、摂取した食物の消化・吸収、薬物の代謝、感染症や各種疾患の成立
にどのようにつながっていくのかを考察する。
42