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【資料2】精神保健医療福祉の現状等について (63 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000202961_00033.html
出典情報 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第1回 5/20)《厚生労働省》
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「市町村における精神保健に係る相談支援体制整備の推進に関する検討チーム」報告書
(令和5年9月22日)(概要)

背景
○ 令和4年12月に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律」が成立し、精神保健及び精
神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第46条において、市町村等が実施する精神保健に関する相談支援について、精神
障害者のほか精神保健に課題を抱える者も対象にできるようにするとともに、これらの者の心身の状態に応じた適切な支援の包括的な確保を旨と
することを明確化するための規定が新設された。
○ こうした動向を踏まえ、今後の市町村における精神保健に係る相談支援体制整備を推進するため、令和5年2月に本検討チームを立ち上げ
議論を重ね、本年9月に報告書としてとりまとめた。

概要
市町村における精神保健に係る相談支援体制の整備
【現状及び課題】
・8割以上の市町村が、自殺対策、虐待、生活保護、介護等の各
分野において、精神保健に関する相談に対応。
・重層的支援体制整備事業を活用する市町村は増えたが、福祉部
局と保健部局との連携が不十分な中で、相談窓口の設置が行わ
れることで、支援の引き受け手を探すのに苦労。
・特に専門職の配置がない小規模の自治体では、事務職が相談を
受け、適切な支援につながらないこともある。
・専門の相談窓口や専門職の配置は、複合的課題を専門職が抱え
こまざるを得ない等により、職員の孤立や支援の停滞の課題が生じ
ることもある。
市町村において精神保健に係る相談支援を担う人材の育成
【現状及び課題】
・財政や人員の制約等により継続して専門性を研鑽する体制や、組織
として専門職を育てる文化の醸成、理解等が十分ではない。
・精神保健の担当以外の部門で相談を受けた場合、適切な支援につ
ながらないことがある。
・精神保健福祉相談員として育成しても、専門以外の業務への従事に
より、専門職としての知識や技術を有効に活用できない場合もある。
・保健所の精神保健福祉相談員による市町村支援も近年少なく、保
健所等もコロナ対応で疲弊し、新任期の保健師が地域保健の経験を
積み上げられない。

【方策】
◆相談支援で行われる「受けとめ」、「気づき」、「アセスメント」、「プランの
立案及び実行」、「連携及び調整」の5つの機能を体制に位置づける
ため、厚生労働科学研究班が類型化した横断的連携体制のイメー
ジ図を、特に、保健所設置市以外の市町村の参考となるよう提示。
◆市町村の窓口に加え、アウトリーチ等によっても住民ニーズに気づき、相
談を確実に適切な支援につなげ、医療も含めた課題を解決できるよう
にするため、保健師等の確保や相談支援部門への配置を進める等、
保健の軸を作る必要。
◆体制整備のため、首長や管理職の理解を得るとともに、市町村単独で
はなく、当事者及び家族の声を聞くこと、精神科医療機関の協力を得
ること、保健所や精神保健福祉センターからのバックアップを受けること
や、都道府県と連携して国の既存事業を活用することも有効。
【方策】
◆基本的に専門職か否かに関わらず、精神保健に関する知識等の水準
引き上げ、潜在ニーズに気付く力を備えるため、研修等が必要。
◆相談支援に携わる人材の育成策を機能別に三層に整理。
・「ニーズに気づく職員」には、心のサポーター養成研修等や、精神保健
福祉相談員の講習に含まれる基礎的事項等の一部を受講推奨。
・「精神保健部門で相談支援を主に担う専門職」には、保健師以外の
専門職も含め、精神保健福祉相談員の講習受講の推進や、組織とし
て技術の継承も含めた計画的な育成や複数配置等の工夫。
・「庁内で推進力を発揮する専門職」には、戦略的かつ計画的な人事
異動等による育成。

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