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資料1-2-8診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (21 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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128 ビッカースタッフ脳幹脳炎
○ 概要
1.概要
眼球運動や運動失調、意識障害を三主徴とし、脳幹を病変の首座とする自己免疫疾患である。症状は4
週以内にピークとなり、その後は徐々に回復に向かうのが原則であるが、約半数の症例で四肢筋力低下を
来し、主として四肢筋力低下による後遺症がみられることが多い。全ての年齢層で発症がみられるが、30
歳代を中心として若年者の発症が多いことが特徴である。
2.原因
様々な感染症を契機に誘導される自己免疫による機序が推測されている。約8割の症例で先行感染症状
(上気道炎症状や胃腸炎症状)がみられ、約7割の症例では血中に自己抗体(IgG 型 GQ1b 抗体)が検出さ
れる。
3.症状
眼球運動障害と運動失調に加え、意識障害などの中枢神経障害症状がみられる。約半数の症例では経
過中に四肢筋力低下を来し、約6割の症例では口咽頭筋麻痺が、約3割の症例で不整脈などの自律神経
症状がみられる。約2割の症例で人工呼吸器管理を要し、約6割の症例では介助下での歩行が不可能とな
るなど、重篤な経過をとることが多い。
4.治療法
有効性の確立した治療法はないが、経験的に免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)や血液浄化療法、副腎
皮質ホルモン投与が行われることが多い。意識障害や口咽頭筋麻痺、四肢筋力低下、自律神経症状など
重篤な経過をとることが多いことから、人工呼吸器装着や循環動態管理、各種感染症治療などの全身管理
が必要である。
5.予後
急性期に積極的な免疫治療を実施されても、約1割の症例で発症1年後の時点で自力歩行ができないこ
とが明らかにされている。転帰について詳細に検討された報告はないが、このようなデータから、長期にわ
たって運動障害やしびれ感、易疲労性など日常生活に支障をきたしている症例がかなり存在しているもの
と想定される。
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○ 概要
1.概要
眼球運動や運動失調、意識障害を三主徴とし、脳幹を病変の首座とする自己免疫疾患である。症状は4
週以内にピークとなり、その後は徐々に回復に向かうのが原則であるが、約半数の症例で四肢筋力低下を
来し、主として四肢筋力低下による後遺症がみられることが多い。全ての年齢層で発症がみられるが、30
歳代を中心として若年者の発症が多いことが特徴である。
2.原因
様々な感染症を契機に誘導される自己免疫による機序が推測されている。約8割の症例で先行感染症状
(上気道炎症状や胃腸炎症状)がみられ、約7割の症例では血中に自己抗体(IgG 型 GQ1b 抗体)が検出さ
れる。
3.症状
眼球運動障害と運動失調に加え、意識障害などの中枢神経障害症状がみられる。約半数の症例では経
過中に四肢筋力低下を来し、約6割の症例では口咽頭筋麻痺が、約3割の症例で不整脈などの自律神経
症状がみられる。約2割の症例で人工呼吸器管理を要し、約6割の症例では介助下での歩行が不可能とな
るなど、重篤な経過をとることが多い。
4.治療法
有効性の確立した治療法はないが、経験的に免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)や血液浄化療法、副腎
皮質ホルモン投与が行われることが多い。意識障害や口咽頭筋麻痺、四肢筋力低下、自律神経症状など
重篤な経過をとることが多いことから、人工呼吸器装着や循環動態管理、各種感染症治療などの全身管理
が必要である。
5.予後
急性期に積極的な免疫治療を実施されても、約1割の症例で発症1年後の時点で自力歩行ができないこ
とが明らかにされている。転帰について詳細に検討された報告はないが、このようなデータから、長期にわ
たって運動障害やしびれ感、易疲労性など日常生活に支障をきたしている症例がかなり存在しているもの
と想定される。
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