よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-8診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

137 限局性皮質異形成
○ 概要
1.概要
大脳皮質における局所的な発生異常(神経細胞の発生、増殖及び遊走の障害)に関連した病巣により、
主としててんかん発作を呈する。主に乳幼児~学童期に発症するが、中学生以降あるいは成人でも発症す
る。MRI により限局性の皮質を主体とする特徴的な異常所見で検出される一方、MRI 異常を欠き病理診断
で明らかになる場合もある。大脳皮質神経細胞の配列が様々な程度に乱れる。病理組織学的所見の特徴
からタイプ分類がなされる。大脳皮質のどこにでも生じうる。
2.原因
原因は不明であり、ゲノム遺伝子の異常も明らかでない。FCD タイプ 2b の症例の一部に、細胞内情報伝
達系分子 mTOR の体細胞変異が知られている。
3.症状
限局性皮質異形成の存在部位に応じててんかん発作症状は多彩である。乳幼児ではてんかん性脳症
(てんかんが認知機能を進行性に障害する。)を呈することもある。長じては、主として部分てんかんを呈
し、異形成を中心としたてんかん焦点の発作症状を示す。てんかん重積状態を来すこともある。
4.治療法
抗てんかん薬が積極的に用いられるが、難治である。異形成が画像診断で同定でき、臨床所見や脳波所
見と一致する場合には外科治療が行われる。しかし、しばしば異形成の広がりを推定することが困難であ
り、十分な切除が行われないとてんかん発作が消失しない。また、異形成が機能的に重要な脳部位(運動
皮質や言語領域など)を巻き込んでいる場合や、異形成が多発性の場合には、手術は困難である。
5.予後
てんかんが進行性に増悪することは少ないが、年齢とともに発作が軽減することもなく、てんかんは難治
なままである。頻発する発作による社会的な支障は極めて大きい。けいれん重積状態になり重篤な後遺症
を残すこともある。

- 54-