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資料1-2-8診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (40 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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135 アイカルディ症候群
○ 概要
1.概要
1965 年に Aicardi らにより初めて報告された。脳梁欠損、点頭てんかん、網脈絡膜症を三主徴とする先
天性奇形症候群。様々な種類の脳奇形、難知性難治性痙攣、重度の精神発達遅滞を呈し、本疾患の本
態は神経発生異常と考えられている。まれな疾患であり、原因も不明であるため治療法も確立されていな
い。
2.原因
現時点では不明。患者の大部分が女児であることから、X 染色体顕性遺伝(優性遺伝)(男児では致死
性)又は常染色体上の限性発現遺伝子の異常により女児にのみ発症するとも考えられている。de novo の
均衡型転座(X;3)を伴う症例から遺伝子座は Xp22 にマッピングされているが、疾患責任遺伝子単離には
至っていない。
3.症状
脳梁欠損、点頭てんかんてんかん性スパズム、網脈絡膜症(Lacunae)を三主徴とする。が、てんかん性
スパズムは他の発作型(多くは焦点運動起始発作)でも代替可能である。痙攣発作は生直後から3か月頃
までに発症することが多く、全例に出現し、難治性である。脳波ではヒプスアリスミアの頻度は低く,左右独
立した解離性サプレッション・バーストが特徴的である.完全脳梁欠損は 70%前後に認められ,部分欠損は
前方欠損が多い.多小脳回と脳室周囲の異所性灰白質がほぼ全例に認められる.大脳半球の非対称性
も特徴的である.約半数で半球間裂や脈絡叢に囊胞が認められる.網脈絡膜裂孔は,通常両側性で,大
きさの異なる複数の病変が視神経乳頭や黄斑部の周辺に存在する.
4.治療法
痙攣に対しては抗けいれん薬(ACTH、バルビツレート等)を用いるが、難治性である。摂食障害や肺炎
などが主な死因であることから、それらに対する予防や対症療法などの全身管理となる。根本治療はな
い。
5.予後
中枢神経系の異常(脳回・脳室の構造異常、異所性灰白質、多小脳回、小脳低形成、全前脳胞症、孔脳
症、クモ膜嚢胞、脳萎縮など)、重度の精神運動発達遅滞、筋緊張低下、眼症状(視神経・脈絡膜欠損)、
骨格異常(椎体奇形、側弯、肋骨欠損、癒合、二分肋骨)、口唇口蓋裂、摂食障害、肺炎、腫瘍性病変を
併発し、不良である。

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