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資料1-2-8診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (30 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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132 先天性核上性球麻痺
○ 概要
1.概要
先天性核上性球麻痺(ウースター・ドロート症候群)は、胎児から新生児期の非進行性脳障害により咽
頭喉頭部(球筋)の運動障害を来し、嚥下、摂食、会話、唾液コントールの機能が低下する。症状は成長に
伴って変化するが、消失することはない。経過は脳性麻痺に似るが、上下肢の運動障害はないか、あって
も軽度である。先天性傍シルビウス裂症候群とは異なり、画像上病変を伴わない。
2.原因
原因は解明されていない。家族例が6%程度に認められ、染色体異常(mosaic trisomy 9 など)のほか、
胎生期の環境因子や周産期脳障害が背景として報告されている。
3.症状
嚥下障害(重度の場合、経管栄養が必要)、唾液コントロールの障害(年齢不相応の流涎)、構音障害
(重度の場合、発語不可)。
合併症として、胃食道逆流症、誤嚥・誤嚥性肺炎、小奇形(高口蓋、顎関節拘縮、内反足など)、四肢の
拘縮、運動発達遅滞、軽度四肢麻痺、錐体路症状、上肢の巧緻性低下、精神発達遅滞、知能障害、学習
障害、模倣能力の低下、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)、広汎性発達障害(PDD)、眼球運動障害、てん
かん発作・脳波異常を併発することがある。
4.治療法
乳児期には嚥下障害に対して経管栄養が行われる。成長に伴って言語療法、摂食訓練、運動療法など
の機能訓練を要する。発達障害に対して認知行動療法などが行われる。てんかん発作に対しては主として
薬剤治療が行われる。
5.予後
症状は年齢によって変化し、軽減する場合もあるが、重症のまま経過することもある。予後は様々であ
り、合併症による影響を受ける。

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