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資料1-2-8診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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126 ペリー症候群ペリー病
○ 概要
1.概要
ペリー(Perry)症候群病は非常にまれな常染色体顕性遺伝(優性遺伝性遺伝)性の神経変性疾患であ
る。本疾患は 1975 年に Perry らにより家族性のうつ症状及びパーキンソニズムを伴う常染色体顕性遺伝
(優性遺伝性遺伝)性疾患として報告され、現在まで欧米諸国や本邦から同様の家系が報告されている。
臨床症状としては平均 48 歳発症 40 歳代で発症と若年で発症し、比較的急速に進行するパーキンソニズ
ムと体重減少に加えて、うつ症状、アパシー、脱抑制、引きこもりといった精神症状を認める。また、特徴的
な症状として中枢性の低換気や無呼吸がある。治療法としてはパーキンソニズムに対して L-ドパ製剤など
のパーキンソン病治療薬や抗うつ薬、低換気に対して人工呼吸器による呼吸管理など対症療法しかなく、
根治療法はない。
2.原因
原因遺伝子として、2009 年に Farrer らによって dynactin タンパクをコードする DCTN1 の exon 2 に変異
があることが突き止められており、この遺伝子異常変異により本疾患が発症する事が明らかになっている。
しかし、なぜまた、筋萎縮性側索硬化症などと同様に TAR DNA-binding protein 43 (TDP-43) プロテイノパ
チーに分類される。dynactin の異常でが TDP-43 に結合すること、その相互作用の制御異常が TDP-43 の
誤局在化と凝集化を引き起こす可能性が明らかになっているが、本疾患が発症するかはの発症機序につ
いて不明な点が多い。
3.症状
ペリー(Perry)症候群病は非常にまれであるが、世界的に広い地域から報告されている。なかでも本邦
からの報告は6家系と比較的多い。また多く、そのうち5家系の多くは九州地方からの報告である。九州地
方の家系はいずれも創始者効果は認められておらず、独立して発症した家系である。どの家系もおおむね
40 代から 50 代前半にパーキンソニズム又はうつ症状や無気力などの精神症状で発症する。パーキンソニ
ズムに対しては L-ドパ製剤が有効であることも多く、L-ドパ誘発性ジスキネジアやウェアリングオフの合併
をみとめる症例も報告されている。抗精神病薬に対する副作用も強く、孤発性パーキンソン病と区別するこ
とが時に困難なこともある。しかし、発症早期より体重減少がみられ、さらには呼吸障害が出現する。この
呼吸障害は中枢性の低換気であり、頻呼吸、睡眠中の不規則呼吸、呼吸停止などが出現する。呼吸障害
に対する治療薬はなく、持続陽圧呼吸療法による効果も一時的であり人工呼吸器による長期サポートが必
要である。
4.治療法
運動症状については症例によって初期は L-ドパによる対症療法が有効である。しかし、有効性を認めな
い症例もあり、効果があっても症状の進行が早く一時的で不十分である。呼吸障害に対しては人工呼吸器
による長期サポートが必要であり気管切開が必要となる。根治療法は現在のところ報告されていない。

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