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資料1-2-15診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (19 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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283 後天性赤芽球癆
○ 概要
1.概要
赤芽球癆は正球性正色素性貧血と網赤血球の著減及び骨髄赤芽球の著減を特徴とする症候群であり、
病因は多様である。赤芽球癆の病型分類として大きく、先天性と後天性に分けられ、後天性は臨床経過か
ら急性と慢性に区分される。
2.原因
後天性慢性赤芽球癆は病因を特定できない特発性と、基礎疾患を有する続発性に分類される。続発性
には胸腺腫、大顆粒リンパ球性白血病や悪性リンパ腫などのリンパ系腫瘍、自己免疫疾患、薬剤性、固形
腫瘍、ウイルス感染症、ABO 不適合同種造血幹細胞移植などがある。
3.症状
成人の場合、赤芽球癆と診断された時点で既に重症の貧血であることが多い。自覚症状は貧血に伴う
全身倦怠感、動悸、めまいなどである。
4.治療法
末梢血液学的検査及び骨髄検査により赤芽球癆と診断されたら、被疑薬は中止ないし他の薬剤に変更
する。貧血が高度で日常生活に支障を来たしているときには赤血球輸血を考慮する。赤芽球癆と診断して
から約1か月間の経過観察を行い、その期間に病因診断を行う。赤芽球癆と診断してから1か月が経過し
ても貧血が自然軽快せず、かつ基礎疾患の治療を行っても貧血が改善しない場合には、免疫抑制薬の使
用を考慮する。使用される免疫抑制薬は副腎皮質ステロイド、シクロスポリン、シクロホスファミドなどである。
免疫抑制療法の目標は赤血球輸血依存の回避である。
5.予後
特発性造血障害調査研究班による疫学調査によれば、特発性赤芽球癆の予測 10 年生存率は 95%、胸
腺腫関連赤芽球癆の予測生存期間中央値は約 12 年、大顆粒リンパ球白血病に伴う赤芽球癆の予測 10
年生存率は 86%である。主な死因は感染症と臓器不全である。
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○ 概要
1.概要
赤芽球癆は正球性正色素性貧血と網赤血球の著減及び骨髄赤芽球の著減を特徴とする症候群であり、
病因は多様である。赤芽球癆の病型分類として大きく、先天性と後天性に分けられ、後天性は臨床経過か
ら急性と慢性に区分される。
2.原因
後天性慢性赤芽球癆は病因を特定できない特発性と、基礎疾患を有する続発性に分類される。続発性
には胸腺腫、大顆粒リンパ球性白血病や悪性リンパ腫などのリンパ系腫瘍、自己免疫疾患、薬剤性、固形
腫瘍、ウイルス感染症、ABO 不適合同種造血幹細胞移植などがある。
3.症状
成人の場合、赤芽球癆と診断された時点で既に重症の貧血であることが多い。自覚症状は貧血に伴う
全身倦怠感、動悸、めまいなどである。
4.治療法
末梢血液学的検査及び骨髄検査により赤芽球癆と診断されたら、被疑薬は中止ないし他の薬剤に変更
する。貧血が高度で日常生活に支障を来たしているときには赤血球輸血を考慮する。赤芽球癆と診断して
から約1か月間の経過観察を行い、その期間に病因診断を行う。赤芽球癆と診断してから1か月が経過し
ても貧血が自然軽快せず、かつ基礎疾患の治療を行っても貧血が改善しない場合には、免疫抑制薬の使
用を考慮する。使用される免疫抑制薬は副腎皮質ステロイド、シクロスポリン、シクロホスファミドなどである。
免疫抑制療法の目標は赤血球輸血依存の回避である。
5.予後
特発性造血障害調査研究班による疫学調査によれば、特発性赤芽球癆の予測 10 年生存率は 95%、胸
腺腫関連赤芽球癆の予測生存期間中央値は約 12 年、大顆粒リンパ球白血病に伴う赤芽球癆の予測 10
年生存率は 86%である。主な死因は感染症と臓器不全である。
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