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資料4-4   アセトアミノフェン (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00023.html
出典情報 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第51回 6/8)《厚生労働省》
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6-2 本薬の項に、
「正常な服用量では本薬には胃腸合併症、血液凝固抑制、腎機能障害、
胎児動脈管収縮などの副作用が少ない。」、
「2011 年に医療保険上の最大使用量が 1 日 4g ま
で引き上げられ、副作用が比較的少ないことから高齢者の鎮痛薬としての役割が期待され
る。」との記載がある(p193)。
4)術後痛サービス(POPS)マニュアル - postoperative pain service manual - 編集:POPS 研
究会 2011 年発行 43)
POPS(postoperative pain service)研究会が作成した術後管理の実践的なマニュアル。術後
疼痛管理に使用される薬剤として本薬の項があり、用量について以下の記載がある(p28)

「成人には錠剤を 1 回 300~1,000mg 経口投与し、
投与間隔は 4~6 時間以上、
1 日総量 4,000mg
を限度とします。小児では坐剤を 1 回 10~15mg/kg 直腸内投与し、投与間隔は 4~6 時間以上、
1 日総量 60mg/kg を限度とします。大量投与で肝機能が低下する可能性があります。

また、
「表③術後疼痛管理に用いられる薬剤の剤型、規格、薬価」にカロナール錠 200mg
の記載がある(p29)

5)森田 潔監修、川真田 樹人専門編集.麻酔科医のための周術期の薬物使用法.中山書
店出版 2015 年発行 44)
第 2 章 6 項「消炎鎮痛薬、その他の鎮痛薬」の本薬の項に以下の記載がある(p168-169)



本薬は主に中枢神経系に作用し、解熱作用、鎮痛作用を持つが、末梢組織における抗炎
症作用は弱いとされている。



それゆえ、NSAIDs にくらべると術後の鎮痛作用は劣るが、消化管障害、腎機能障害、
血小板機能低下といった副作用は少ない。



軽度~中等度の痛みに対して有効である。



安全性が高いため、小児の術後鎮痛や解熱目的で使用されることが多い。



NSAIDs/COX-2 阻害薬と鎮痛作用機序が異なると考えられているため、両者を併用す
ることにより、それぞれ単独で用いるよりもオピオイド使用量を減らすことができる
との報告がある。



術後 4~6 時間毎の around-the-clock 投与法がアメリカでは推奨されている。



1 日最大用量が定められており
(成人: 4000mg まで、50kg 以下の成人又は小児: 60mg/kg、
2 歳未満: 30mg/kg)
、それを超えて大量投与すると重篤な肝不全、中毒を呈するため注
意が必要である。肝機能低下症例では投与量を減じる。



これまで日本では経口薬(カロナール)と主に小児用の坐薬(アンヒバ)しか利用でき
なかったが、2013 年 11 月に静注薬(アセリオ)が販売開始となった。静注薬は 15 分
かけて静注すると、投与終了直後に最大血中濃度に達し、半減期は約 2.5 時間である。
これにより、術直後での経口摂取困難な症例にも使用可能となり、今後の周術期疼痛
管理の一助となるであろう。

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