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資料4  シクロホスファミド水和物 (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00027.html
出典情報 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第55回 5/31)《厚生労働省》
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移植後シクロホスファミドについて、以下のように記載されている。
T 細胞除去を行わない HLA 半合致移植における GVHD 予防として移植後シクロホスフ
ァミド静注を用いる方法がジョンズ・ホプキンス大学の研究チームにより開発された。こ
の方法では、HLA 半合致ドナーから得られた無処置の骨髄を、骨髄非破壊的前処置後に免
疫抑制療法を行わずに輸注する。その後の 48~72 時間で、アロ応答性ドナーT 細胞が活性
化及び増殖する。シクロホスファミドを同種移植後 3 日目及び 4 日目に投与することで、
活性化したアロ応答性ドナーT 細胞をより選択的に除去するが、非アロ応答性クローンは
比較的保たれる。この方法は非常に忍容性が高く、GVHD 及び移植関連死の頻度が低い。
さらに、この方法は無差別な T 細胞の枯渇を避け、免疫再構築は比較的良好であり、例え
ば移植後リンパ増殖症のような T 細胞除去移植後の典型的な合併症は認められない。
2) Wintrobe's Clinical Hematology, 14th Edition. Wolters Kluwer; 2019. 59)
移植後シクロホスファミドについて、以下のように記載されている。
初期のマウスモデルを用いた実験に基づき、ドナーT 細胞を迅速に分けて除去すること
により GVHD を管理する、早期の移植後シクロホスファミドを用いた in vivo T 細胞除去法
をジョンズ・ホプキンス大学の研究グループが開発した。当初、移植後シクロホスファミ
ド法は、骨髄非破壊的前処置及び骨髄移植を用いて開発された。ジョンズ・ホプキンス大
学で実施された移植後シクロホスファミドを用いた最初の第 II 相試験では、68 例の患者に
おいて、移植関連死は 15%、再発割合は 51%、グレード III/IV の急性 GVHD 発現割合は 6%
であった。Blood and Marrow Transplant Clinical Trials Network が多施設共同第 II 相試験で同
様の結果を報告している。これらのデータが公表されて以来、例えば骨髄破壊的レジメン
の施行、ドナーソースとして末梢血幹細胞の使用、より良い患者選択のような試みが再発
割合を減少させてきた。
3) Thomas' Hematopoietic Cell Transplantation: Stem Cell Transplantation, 5th edition. WileyBlackwell; 2016. 60)
移植後シクロホスファミドについて、以下のように記載されている。
動物実験でのデータより、移植後シクロホスファミドは、アロ応答性 T 細胞を少なくと
も部分的に除去する一方で、移植後の免疫寛容に重要である制御性 T 細胞を保つことが示
されている。ジョンズ・ホプキンス大学とシアトル大学から報告された 2 つの独立した臨
床試験において、移植後大量シクロホスファミドは血縁ドナーからの T 細胞除去を行わな
い HLA 不適合移植における拒絶反応及び GVHD を安全かつ有効に予防しうることが報告
された。進行した造血器悪性腫瘍患者(87 例)及び発作性夜間ヘモグロビン尿症患者(1
例)を対象とし、フルダラビン(150 mg/m2)、シクロホスファミド(29 mg/kg)及び全身放
射線照射(200 cGy)による強度減弱前処置が施行され、移植後にシクロホスファミド(50
又は 100 mg/kg)
、TAC、MMF が投与された。生着不全は評価可能であった 84 例中 15 例
(18%)に認められ、うち 2 例は致死的な経過であった。移植後 200 日時点で、グレード II

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