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資料4  シクロホスファミド水和物 (29 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00027.html
出典情報 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第55回 5/31)《厚生労働省》
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ホスファミドを用いる方法の開発が初期に報告されたため、主に西欧と米国の施設では、
T 細胞除去よりも T 細胞除去を行わない移植片の使用が好まれている。Ciurea らは、移植
後シクロホスファミドを用いた骨髄破壊的前処置による HLA 半合致骨髄移植(32 例)
、又
は ATG 及び CD34+純化により T 細胞除去を行った HLA 半合致末梢血幹細胞移植(33 例)
を施行した 65 例を比較し、1 年間の非再発死亡割合(16%対 42%)
、全生存割合(64%対
30%)
、無増悪生存割合(50%対 21%)が移植後シクロホスファミドを用いた場合に有意に
改善したと報告した。生着割合及びグレード II~IV の急性 GVHD では有意な差は認めら
れなかったが、慢性 GVHD は移植後シクロホスファミドを用いた患者で有意に低かった。
結論として、移植後シクロホスファミドを用いた治療計画は、ドナーの獲得と管理が容易
であることに加え、高リスクの造血器悪性腫瘍患者を対象とした治療としては良好な結果
であり、急性白血病治療の意思決定アルゴリズムの初期段階における HLA 半合致移植の役
割について、さらなる調査が必要であると考えられる。
<日本におけるガイドライン等>
4) 造血細胞移植ガイドライン HLA 不適合血縁者間移植 第 2 版. 2018 年 9 月. 3)
移植後シクロホスファミドについて、以下のように記載されている。
V. 移植後シクロホスファミドを用いた HLA 半合致移植
1.本法の背景
カルシニューリン阻害剤など免疫抑制剤による GVHD 予防効果は T 細胞応答性の抑制
によってもたらされる。一方、大量シクロホスファミド(cyclophosphamide, CY)を用いた
GVHD 予防法である移植後シクロホスファミド(posttransplant CY, PTCY)法は T 細胞に対
する殺細胞効果によって GVHD 予防効果がもたらされる。CY に対する感受性は活性化 T
細胞で高く、静止期 T 細胞や制御性 T 細胞、造血幹細胞では低いため、アロ応答性 T 細胞
に選択的に作用する可能性が示唆されているが、まだ確定的ではない。21 世紀初頭に Johns
Hopkins のグループにより臨床応用が開始され、
その優れた GVHD 抑制効果が示され PTCYHLA 半合致移植は急速に普及することとなった。
2.PTCY-HLA 半合致移植の成績
2.1 移植細胞源とドナー選択
開発当初は移植細胞源としてもっぱら骨髄が用いられてきたが、その後末梢血幹細胞も
使用されるようになった。2009 年から 2014 年に米国で実施された PTCY-HLA 半合致移植
681 例(骨髄移植 481 例、末梢血幹細胞移植 190 例)の後方視的解析では、末梢血幹細胞移
植では生着率は変わらないものの、生着が有意に早く、grade II-IV の acute GVHD、chronic
GVHD が有意に増加するものの非再発死亡率には差がなく、再発率は有意に低いという結
果であり、骨髄、末梢血幹細胞ともに同等に安全に使用可能な幹細胞源であるといえる。
本邦では全国多施設共同第 II 相試験(JSCT-Haplo13 試験)として実施された、強度減弱

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