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別紙2 (14 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00042.html |
出典情報 | 先進医療会議(第108回先進医療会議、第129回先進医療技術審査部会 3/3)《厚生労働省》 |
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バシズマブのラニビズマブに対する「優越性を検証できないことが判った場合」について以下の検討をお
こないました。
本研究は非盲検試験ですが、優越性を検証できないことが判り研究者に対して研究の中断の検討を
行うことの検討の勧告を、眼底所見の判定を行う第三者が盲検下で行うことを前提とし、早期中止の判
断に群の情報は用いないこととしました。
主要評価項目であるラニビズマブの 24 週までの追加投与またはレーザー治療を要する眼底所見と再
治療の有無を、表1に示す 2×2 分割表にまとめることとします。
表1
バベシズマブ群 ラニビズマブ群
再治療あり
a
b
a+b
再治療なし
c
d
c+d
n1
n2
表 1 において、それぞれの群の眼数を目標症例数(眼)である 34 とすれば、n1=34、n2=34 となりま
す。また、眼底所見の判定は盲検下で行われるために、a、b の個別の値はわからず、判定者がわかる
のは a+b となります。
主要評価項目であるラニビズマブの追加投与またはレーザー治療を要する眼底所見となった場合、
すなわち、a=34、b=34、c=0、d=0 の場合には、優越性を検証でません。このとき、a+b=68 であり、この
状況は、68 眼の治療が終了しないとわからない、ということになります。つぎに、a=33、b=34、c=1、d=
0 の場合にも、優越性を検証できません。この場合には、67 眼での判定となります。同様な考えで a、b、
c、d を変化させたときに、有意差が得られない最小の a+b の眼数を、明らかにベバシズマブのラニビズ
マブに対する優越性を検証できないことが判った場合としました。この考え方に基づき対象者内の相関
を考慮した割合の差の検定に対応する簡便な判定方法で計算を行うと、明らかに優越性を検証できな
いとする a+b の最小値は 62 眼となりました。それ以下になると、確率的には検証できる可能性を有する
こととなります。
つまり、早期の無効中止または有効中止を判断可能な時期は、登録された全例がラニビズマブの追
加投与またはレーザー治療を要する眼底所見となった場合(もしくは、登録された全例がラニビズマブの
追加投与またはレーザー治療がない場合)であっても、目標症例数(眼)に対してわずか 7 眼を登録しな
いという時になります。
なお、この検討における簡便な判定方法は、Agresti and Caffo (2000) の 95%信頼区間にデザインエフ
ェクトを組み込み、信頼区間の下限が 0 を超えた場合を有意差ありとしました。
以上の検討により、有効性が検証できないという判断が可能な時期は、目標症例数(眼)に対してわず
か 7 眼を登録しない場合(対象者においては 3 名)である点、および割合の推定精度の確保の点から早
期の中止または中断の検討は行わない方針としています。
参考文献:Alan Agresti and Brian Caffo. Simple and Effective Confidence Intervals for Proportions and
Differences of Proportions Result from Adding Two Successes and Two Failures. The American
Statistician, Vol. 54, No. 4 (Nov., 2000), pp. 280-288.
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こないました。
本研究は非盲検試験ですが、優越性を検証できないことが判り研究者に対して研究の中断の検討を
行うことの検討の勧告を、眼底所見の判定を行う第三者が盲検下で行うことを前提とし、早期中止の判
断に群の情報は用いないこととしました。
主要評価項目であるラニビズマブの 24 週までの追加投与またはレーザー治療を要する眼底所見と再
治療の有無を、表1に示す 2×2 分割表にまとめることとします。
表1
バベシズマブ群 ラニビズマブ群
再治療あり
a
b
a+b
再治療なし
c
d
c+d
n1
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表 1 において、それぞれの群の眼数を目標症例数(眼)である 34 とすれば、n1=34、n2=34 となりま
す。また、眼底所見の判定は盲検下で行われるために、a、b の個別の値はわからず、判定者がわかる
のは a+b となります。
主要評価項目であるラニビズマブの追加投与またはレーザー治療を要する眼底所見となった場合、
すなわち、a=34、b=34、c=0、d=0 の場合には、優越性を検証でません。このとき、a+b=68 であり、この
状況は、68 眼の治療が終了しないとわからない、ということになります。つぎに、a=33、b=34、c=1、d=
0 の場合にも、優越性を検証できません。この場合には、67 眼での判定となります。同様な考えで a、b、
c、d を変化させたときに、有意差が得られない最小の a+b の眼数を、明らかにベバシズマブのラニビズ
マブに対する優越性を検証できないことが判った場合としました。この考え方に基づき対象者内の相関
を考慮した割合の差の検定に対応する簡便な判定方法で計算を行うと、明らかに優越性を検証できな
いとする a+b の最小値は 62 眼となりました。それ以下になると、確率的には検証できる可能性を有する
こととなります。
つまり、早期の無効中止または有効中止を判断可能な時期は、登録された全例がラニビズマブの追
加投与またはレーザー治療を要する眼底所見となった場合(もしくは、登録された全例がラニビズマブの
追加投与またはレーザー治療がない場合)であっても、目標症例数(眼)に対してわずか 7 眼を登録しな
いという時になります。
なお、この検討における簡便な判定方法は、Agresti and Caffo (2000) の 95%信頼区間にデザインエフ
ェクトを組み込み、信頼区間の下限が 0 を超えた場合を有意差ありとしました。
以上の検討により、有効性が検証できないという判断が可能な時期は、目標症例数(眼)に対してわず
か 7 眼を登録しない場合(対象者においては 3 名)である点、および割合の推定精度の確保の点から早
期の中止または中断の検討は行わない方針としています。
参考文献:Alan Agresti and Brian Caffo. Simple and Effective Confidence Intervals for Proportions and
Differences of Proportions Result from Adding Two Successes and Two Failures. The American
Statistician, Vol. 54, No. 4 (Nov., 2000), pp. 280-288.
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