よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


別紙2 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00042.html
出典情報 先進医療会議(第108回先進医療会議、第129回先進医療技術審査部会 3/3)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

先進医療審査の事前照会事項に対する回答1

先進医療技術名: 重症未熟児網膜症に対する抗 VEGF(血管内皮増殖因子)薬の硝子体注射療法
2022 年 2 月 2 日
所属・氏名: 神戸大学医学部附属病院
眼科 上田 香織
※照会に伴い変更が生じた場合は、関係書類も併せて修正して下さい。
1.主要評価項目において、Bevacizumab 群のみ単回治療での評価となっていますが、有効性が期待
される最も低い用量を使用することによって、再燃ありの群中に、Ranibizumab 群と同様の血管伸長
が不良である症例が存在する可能性はないのでしょうか。また、その場合の介入方法として、レーザ
ー治療を行うことの妥当性はあるのでしょうか。言い換えれば、Ranibizumab と同様に Bevacizumab
を追加投与することが適切と考えられる局面は想定されないのでしょうか。左薬剤の半減期から再
燃のピークに関する記載はなされていますが、Bevacizumab 投与では観察期間内に確実に血管伸
長が見られるという根拠は示されていないように思われます。また、当該施設での使用経験につい
ても Bevacizumab 使用例は 8 例とわずかであり、これをもってレーザー治療のみによるプロトコール
とすることには相応の根拠が必要と考えます。以上ご回答お願いします。
【回答】
貴重なご指摘を頂き、ありがとうございます。今回の未熟児網膜症に用いる抗 VEGF 薬は、薬剤の有
効期間中に異常血管新生を抑制することで、結果的に正常血管の伸長と病態の鎮静化が図られること
を目的として使用します。ご指摘の通り、再燃に関しては両治療群において、正常血管の伸長が不良で
ある症例が生じる事は考えられます。一方で、研究計画書に記載のとおり、未熟児網膜症の治療につい
ては修正 30 週台に行われるのが一般的で、更に Bevacizumab の硝子体注射後の再燃期間の中央値
については、16 週目程度であることが分かっております。即ち、かかる治療後の再燃時期は、修正 46 週
以降であることが予想されます。
通常、網膜の血管伸長は概ね修正 40 週程度で完了し、未熟児網膜症が自然経過で鎮静化するのは
修正 44 週程度と報告されているため、修正 46 週の時点で血管伸長が非常に不良な症例に対しては、
その後に Bevacizumab を再度注射して経過を見ても、通常の網膜血管の伸長が完了するまでの期間に
正常網膜血管が十分に伸長しない可能性が高いと考えられます。この様な症例の場合、抗 VEGF 薬の
追加投与の意義は少なく、一方で、広い無血管野を放置すると、数年後に網膜裂孔や網膜剥離を生じ
る可能性が高まるため、この時点でレーザー治療を行う方が妥当であると考えられます。加えて、我々
が調査した限りでも、Bevacizumab を連続投与した研究の報告が見当たらないため、本技術においては
Bevacizumab の単回投与後の再燃例に対してはレーザー治療のみを治療選択肢としております。

1

5