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別紙2 (29 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00042.html
出典情報 先進医療会議(第108回先進医療会議、第129回先進医療技術審査部会 3/3)《厚生労働省》
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先進医療審査の事前照会事項に対する回答8

先進医療技術名: 重症未熟児網膜症に対する抗 VEGF(血管内皮増殖因子)薬の硝子体注射療法
2022 年 2 月 24 日
所属・氏名:神戸大学医学部附属病院 眼科・上田 香織

※照会に伴い変更が生じた場合は、関係書類も併せて修正して下さい。
1.本研究が代諾者から同意を取得するものであり、将来本人が代諾者から説明を受けるべき性質で
あるという観点から、大人と比較して子供(未熟児)について、現状として抗 VEGF 硝子体注射の標
準治療がまだ確立されていない点に関する危険性を含め、この研究の意味についてより具体的に説
明同意文書に明記いただきたい。
【回答】
ご指摘を頂きありがとうございます。重要な問題意識と考えますので、説明同意文書 4.項につきまし
て、下記の説明を追加いたしました。
これまでの未熟児網膜症の治療は、従来は網膜をレーザーで焼く方法が第一選択でしたが、焼いた部
分の視野が失われたり、将来的に非常に高度な近視が生じたりするというデメリットがありました。2010
年頃より、網膜の異常な新生血管を退縮させる効果のある抗 VEGF 薬が普及し始め、徐々に硝子体注
射治療が第一選択となりつつあります。
「抗 VEGF 薬は、はじめはがんなど腫瘍の異常な新生血管を退縮させるお薬として登場しました。その
後、成人の眼で異常な新生血管が発達し視力が低下する加齢黄斑変性症という病気の治療にも応用さ
れるようになり、現在は標準治療になっています。そこからさらに未熟児網膜症に対する異常な新生血
管も退縮させられないかという目的で使用されはじめました。抗 VEGF 薬は従来のレーザー治療と異な
り網膜を焼く必要がないため、より保存的な治療効果と、結果的に将来的な視力や視野のより良い維持
が期待されます。
硝子体注射治療に使われる抗 VEGF 薬においてはこれまでに、アバスチン®、ルセンティス®、アイリー
ア®という 3 つが使用されました。アバスチン®は抗 VEGF 薬として 2004 年に世界で最初に発売され、
わが国でも 15 年以上使用されてきた薬剤で、未熟児網膜症についても世界中で 10 年以上の豊富な使
用実績がありますが、世界のどの国でも未熟児網膜症に対して薬事承認は受けていません。一方、あと
から登場したルセンティス®は欧州や日本を始め世界 60 か国以上で未熟児網膜症に対する薬事承認
を受けた薬剤です。アイリーア®は有効性の報告はいくつか発表されていますが、まだ研究段階の使用
にとどまっています。すなわち、現在の未熟児網膜症の抗 VEGF 薬の治療においては、世界ではアバス
チン®ないしルセンティス®のいずれかが主に使用されています。
そこで未熟児網膜症の治療にあたり、いずれの薬剤がふさわしいか決めるには、薬剤の効果と副作用
と、赤ちゃんの体への負担を考える必要があります。
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