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参考資料2 医師臨床研修指導ガイドライン-2020年度版-[1.6MB] (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35611.html
出典情報 医道審議会 医師分科会医師臨床研修部会(令和5年度第3回 10/4)《厚生労働省》
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序章

本ガイドラインの構成と臨床研修の基本理念

現行の臨床研修の到達目標は、行動目標と経験目標から構成されるが、その内容について
必ずしも目標と目標を達成するための方策・手段である方略、目標を達成しているかどうか
の評価に分けられていないといった指摘があった。また、経験目標の一部については、単に
当該項目を「経験する」のではなく、そうすることによって身に付けた診療能力やその評価
を重視すべきとの指摘や、評価方法の標準化が必要である等の指摘を踏まえ、平成 30 年3月
の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会の報告書(以下「臨床研修部会報告書」という。)
で、2020 年度から実施される新たな臨床研修の到達目標については、「到達目標」とそれを
達成するための「方略」
(実務研修の方略)、及びその「評価」
(到達目標の達成度評価)の3
つに分けて整理することとされた。
最終的に確定した 2020 年度から実施される臨床研修の到達目標、方略及び評価は、臨床研
修部会報告書及び同年 7 月 3 日付の厚生労働省医政局長の臨床研修省令の施行通知文書に別
添<臨床研修の到達目標、方略及び評価>として添付されている。
そこで本ガイドラインは、<臨床研修の到達目標、方略及び評価>の構成に沿って、第1
章では「到達目標」
、第2章では「実務研修の方略」、第3章では「到達目標の達成度評価」
を概説している。第4章では、今回の制度見直しで大きな変更点はないものの 2020 年度以降
も引き続き研修医の指導の指針として重要な「指導体制・指導環境」を概説している。加え
て、第5章では「研修医の労務環境」を概説し、第6章では「医師臨床研修に関する Q&A」
を掲載している。

〈臨床研修の基本理念〉(医師法第一六条の二第一項に規定する臨床研修に関する省令)
臨床研修は、医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、
医学および医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる
負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることのできるもので
なければならない。
<解説>
2020 年度から実施される臨床研修の到達目標、方略及び評価の根拠法令となる臨床研修の
基本理念は、医師法第 16 条の 2 第 1 項に規定する医師臨床研修に関する省令に規定されてい
るが、医師に対する社会からの要請等の内容は変わらないため、従来のものからの変更点は
ない。基本理念のキーワードは、
「医師としての人格」のかん養、医師としての「社会的役割」
の認識、そして「基本的な診療能力」である。
「医師としての人格」には、知性を磨き、徳を身につけ、優しさと献身性を示し、患者や
医療スタッフから信頼される医師としての理想像が含意されている。
「社会的役割」には、眼前の患者に最大限貢献することは当然として、人の集団、社会と
医療の体制、公衆衛生へも注意を向けるよう喚起を促している。
「基本的な診療能力」とは、将来携わる専門診療の種類にかかわらず、全ての医師に共通
して求められる幅広い診療能力をいう。

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