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参考資料2 医師臨床研修指導ガイドライン-2020年度版-[1.6MB] (53 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35611.html
出典情報 医道審議会 医師分科会医師臨床研修部会(令和5年度第3回 10/4)《厚生労働省》
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(5)研修病院として行うべきこと
上述のように、医師の働き方改革については、現在議論が進行中であり、2019 年までに最
終的な結論を得て、最終的な規制が導入されるのは 2024 年となる予定であるが、現時点でも
行うべき取り組みとして、2018 年 2 月に、同検討会から「医師の労働時間短縮に向けた緊急
的な取組」が発表されている。
おもな項目としては、
1)医師の労働時間管理の適正化
2)36 協定の自己点検
3)既存の産業保健の仕組みの活用
4)タスク・シフティング(業務の移管)の推進
5)女性医師等に対する支援
6)医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取組
が示されている。研修医の労働環境を守るためには、労働時間の管理は当然であるが、労
働そのものを減らすための方策についても取り組んでいかなければならない。
これまでの研修体制では、研修医はいわば「都合のいい雑用係」として、事務作業や患者
移動、他の職種が実施可能な処置を担うことも多かったと思われる。これは、時間外労働に
ついて実質的に上限も管理も不十分だった時代に慣習として行われていたものであり、研修
医の健康を守り、充実した研修を定められた時間内に行うために、病院を挙げて取り組むべ
き課題である。さらに一歩進めて、これまで医師が行ってきた業務を他の職種に移管するタ
スク・シフティングの推進は医療界全体のテーマでもあり、たとえば、静脈採血など看護師
に移管された業務に関しては、あくまで研修医の自己判断で、研修目的のみで実施するなど
の工夫も求められる。
同時に、研修医の健康を守るための支援や相談窓口の充実も必須である。医療安全などの
観点から、毎日 6 時間以上の睡眠が確保されるような体制を整えるとともに、産業医や衛生
委員会の活動強化を通して、研修医が心身ともに健康な状態で研修に臨めるようにサポート
する仕組みの充実が求められる。

2.女性医師のための勤務環境の調整
(1)プログラム責任者の役割
1)研修医の健康及び安全管理
研修医が研修期間中に妊娠・出産などのライフイベントを経験する際、まず研修医の健
康及び安全の確保が重要である。研修医は、妊娠した場合、適切な時期に指導医または
プログラム責任者に報告する。プログラム責任者は研修医の健康に配慮し、必要に応じ
ローテーションの調整や夜勤の調整が行われるよう確認する。
2)研修医の研修遂行の管理
産前産後休暇や育児休業についての規定、研修修了のための規定などを研修医に伝え、
理解を促す。研修中にライフイベントを経験したとしても、研修を遂行し修了できるよ
う研修医及び指導医に必要な助言を行う。

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