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参考3 自殺総合対策大綱(令和4年10月14日閣議決定) (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38616.html
出典情報 自殺総合対策の推進に関する有識者会議(第11回 3/25)《厚生労働省》
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第1 自殺総合対策の基本理念
<誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す>
平成 18 年 10 月に自殺対策基本法(以下「基本法」という。)が施行されて以
降、
「個人の問題」と認識されがちであった自殺は広く「社会の問題」と認識さ
れるようになり、国を挙げて自殺対策が総合的に推進された結果、自殺者数は3
万人台から2万人台に減少するなど、着実に成果を上げてきた。しかし、自殺者
数は依然として毎年2万人を超える水準で推移しており、さらに令和2年には
新型コロナウイルス感染症拡大の影響等で自殺の要因となり得る様々な問題が
悪化したことなどにより、総数は 11 年ぶりに前年を上回った。特に、小中高生
の自殺者数は、自殺者の総数が減少傾向にある中においても、増加傾向となって
おり、令和2年には過去最多、令和3年には過去2番目の水準になった。このよ
うに非常事態はいまだ続いており、決して楽観できる状況にはない。
自殺は、その多くが追い込まれた末の死である。自殺の背景には、精神保健上
の問題だけでなく、過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤独・孤立など
の様々な社会的要因があることが知られている。このため、自殺対策は、社会に
おける「生きることの阻害要因(自殺のリスク要因)」を減らし、
「生きることの
促進要因(自殺に対する保護要因)」を増やすことを通じて、社会全体の自殺リ
スクを低下させる方向で、
「対人支援のレベル」、
「地域連携のレベル」、
「社会制
度のレベル」のそれぞれのレベルにおいて強力に、かつそれらを総合的に推進す
るものとする。
自殺は、その多くが追い込まれた末の死であることや、自殺対策の本質が生き
ることの支援にあることを改めて確認し、
「いのち支える自殺対策」という理念
を前面に打ち出して、
「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」を目指
す。
第2 自殺の現状と自殺総合対策における基本認識
<自殺は、その多くが追い込まれた末の死である>
自殺は、人が自ら命を絶つ瞬間的な行為としてだけでなく、人が命を絶たざる
を得ない状況に追い込まれるプロセスとして捉える必要がある。自殺に至る心
理は、様々な悩みが原因で心理的に追い詰められ、自殺以外の選択肢が考えられ
ない状態に陥ることや、社会とのつながりの減少や生きていても役に立たない
という役割喪失感から、また、与えられた役割の大きさに対する過剰な負担感か
ら、危機的な状態にまで追い込まれてしまう過程と捉えることができるからで
ある。
自殺行動に至った人の直前の心の健康状態を見ると、大多数は、様々な悩みに
より心理的に追い詰められた結果、抑うつ状態にあったり、うつ病、アルコール
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