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資料2-10-2 シルガード9懸濁筋注シリンジ全例登録による強化安全監視活動最終報告書[1.9MB] (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/newpage_00106.html
出典情報 厚生科学審議会・薬事審議会(合同開催) 予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(第102回 7/29)医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和6年度第4回 7/29)(合同開催)《厚生労働省》
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考察
本剤の RMP で追加の医薬品安全性監視活動として規定している本活動を販売開始(2021 年 2

月 24 日)から実施し、本活動の登録期間を 2023 年 3 月 31 日に終了した。
登録された被接種者数は 47,971 人、登録接種回数は 119,761 回であった。総出荷本数あたりの
登録数を確認した結果、登録率は 51.5%だった。2022 年 9 月 30 日時点の接種登録率の 79.4%と比
較すると低い登録率となり、これは本剤が 2023 年 4 月より 2 価/4 価ワクチンに加えて定期接種ワ
クチンの対象になることをうけ、4 月以降の接種に備え、医療機関で定期接種開始直前の 2023 年
3 月に本剤の購入を行い、2023 年 3 月に 1 ヵ月あたりの出荷数量が大幅に増加したことによると
考えられる。本剤発売以降、2023 年 2 月まで本剤の出荷数量に大きな変動は見受けられず、一定
数の出荷数量を維持していたことから、2023 年 2 月 28 日時点の各情報を用いて登録率を算出し
た場合、登録接種回数は 116,380 回、総出荷本数 143,867 本、登録率は 80.9%だった。
医薬品卸から医療機関への流通過程において、一般的に総出荷本数の 4~5%が流通在庫として
存在していると考えられる。また、医療機関では接種に備えて一定数のワクチンを保管しており、
経験的に総出荷本数の 10~15%程度が医療機関での保管分に相当すると想定される。このような
状況も考慮すると、接種を受けた被接種者の大部分が登録されていたと考えられる。
「多様な症状」発現症例のうち、やむを得ず調査終了とした事例が 9 例あるものの、本活動の
登録期間を通じて全体的に有害事象情報の報告が徹底され、フォローアップ依頼に対して医師の
協力も得られた。これは納入にあたり、あらかじめ接種医等に対して「多様な症状」に関する注
意喚起及び被接種者に「多様な症状」が発現した際のフォローアップの徹底を依頼したのみなら
ず、実際に接種医等による副作用発生時のフォローアップの重要性への理解及び協力が得られた
ことで達成できたと考えられた。また、接種医等による被接種者への事前説明等により、本剤接
種前の段階から、
「多様な症状」発現時に備えた各医療機関における被接種者との連絡体制も強化
されたと考えている。
本活動の集計に用いた「多様な症状」の PT 定義は、祖父江班研究及び名古屋スタディに記載さ
れた症状名を全て網羅した定義にしていることから、祖父江班研究及び名古屋スタディにおける
「多様な症状」定義よりも幅広く設定した。また、症状の持続期間については、祖父江班研究に
おける 3 ヵ月以上症状(就学・就労に影響あり)が持続しているという基準に対し、本活動では
1 ヵ月以上症状(就学・就労への影響の有無を問わない)が持続しているものと設定し、
「多様な
症状」に関連すると考えられる症状を呈した症例情報をできるだけ広く収集した。したがって、
PT 定義及び持続期間の両方の観点から、祖父江班研究及び名古屋スタディに比べ、本活動では保
守的な症例検索を行っており、本活動における「多様な症状」の発現割合が高くなることが想定
された。
本活動で登録された被接種者に発現した副作用のうち、2023 年 6 月 9 日までに収集した情報に
基づき、
「多様な症状」の定義に該当した副作用は 59 例 78 件であった。重篤な副作用はワクチン
接種部位疼痛及び倦怠感各 1 件で、76 件は非重篤だった。
「多様な症状」を発現した 59 例 78 件

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