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資料2-10-2 シルガード9懸濁筋注シリンジ全例登録による強化安全監視活動最終報告書[1.9MB] (28 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/newpage_00106.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・薬事審議会(合同開催) 予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(第102回 7/29)医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和6年度第4回 7/29)(合同開催)《厚生労働省》 |
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の追加の安全対策は不要と判断した。
1 項で記載したとおり、「多様な症状」に代わる疾患として CRPS 及び POTS について検討を行
った EMA は、安全性データベースを用いた検討にあたり、症例特定のために症例検索と症例の医
学的評価といった 2 つのステップで実施している。症例検索の際には、特定の疾患名だけでなく、
診断がついていない可能性がある症例も検出できるようにするため、疾患の診断基準を参考にし
て症状の組合せで検索できるような条件設定を行った。この条件設定を用いて症例検索を行った
後、症例の医学的評価を行い、疾患の診断基準の該非判定を含む医学的評価を実施して最終的な
症例特定に至っている。EMA でのレビューにおいては、症例疾患に基づく症例検索や医学的評価
を行っているため、本活動における幅広く「多様な症状」発現症例を収集し検討する手法と異な
り、対象症例をより詳細に選別して絞り込まれる結果になっている。レビューを行った EMA は、
ワクチンを接種した若年女性集団におけるこれらの事象の発症割合が、過少報告の可能性を考慮
したとしても、10~19 歳の一般集団で予測される割合と異なるというエビデンスはなく、「HPV
ワクチンにより引き起こされたことを裏付けるエビデンスはなかった」と結論づけた。
上述の通り、概ね全接種が登録集積されていると考えられ、有害事象の自発報告及び「多様な
症状」発現時のフォローアップの実施も徹底されていた。すべての被接種者の登録により本剤の
被接種者全例を把握し、本剤接種と時間的に関連して「多様な症状」を発現し副作用疑いとして
報告された症例を特定し、その症例のフォローアップをより確実に実施するという本活動の目的
は達成されたと考えられる。これには本活動実施に合意し、多大な負担にもかかわらず、被接種
者への事前説明や登録作業・自発報告の徹底及びフォローアップの徹底に尽力した医師の協力が
大きく寄与したと考えられる。被接種者においても、被接種者情報の登録や各接種回の情報入力
に対し多大な協力が得られた。
2023 年 4 月 1 日から本剤は定期接種ワクチンの対象になっており、定期接種制度の下、現在の
医療現場では以下のような安全監視が強化されている。
・適正使用の推進:HPV ワクチンや接種後に生じた症状の診療に関する情報提供及び適正使用
の徹底化
・症例の把握:自治体による接種記録の保持、HPV ワクチンの接種対象者等に対する必要な情
報提供と聞き取り(HPV ワクチン予診票、母子健康手帳、健康保険証、住民票、運転免許証、マ
イナンバーカードなど)の徹底
・症例の追跡、報告:医療機関や医師会等の連携、地域連携による相談支援体制や医療体制の
確保、及び予防接種副反応疑い報告の徹底(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000901221.pdf)
・副作用集積、検討:本剤も含めた HPV ワクチンの副反応検討部会等での継続的な検討及び検
討資料の公開による情報発信
医療現場では、このような状況にあることから、今後は通常のワクチンにおける安全性監視活
動を実施していくこととする。
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1 項で記載したとおり、「多様な症状」に代わる疾患として CRPS 及び POTS について検討を行
った EMA は、安全性データベースを用いた検討にあたり、症例特定のために症例検索と症例の医
学的評価といった 2 つのステップで実施している。症例検索の際には、特定の疾患名だけでなく、
診断がついていない可能性がある症例も検出できるようにするため、疾患の診断基準を参考にし
て症状の組合せで検索できるような条件設定を行った。この条件設定を用いて症例検索を行った
後、症例の医学的評価を行い、疾患の診断基準の該非判定を含む医学的評価を実施して最終的な
症例特定に至っている。EMA でのレビューにおいては、症例疾患に基づく症例検索や医学的評価
を行っているため、本活動における幅広く「多様な症状」発現症例を収集し検討する手法と異な
り、対象症例をより詳細に選別して絞り込まれる結果になっている。レビューを行った EMA は、
ワクチンを接種した若年女性集団におけるこれらの事象の発症割合が、過少報告の可能性を考慮
したとしても、10~19 歳の一般集団で予測される割合と異なるというエビデンスはなく、「HPV
ワクチンにより引き起こされたことを裏付けるエビデンスはなかった」と結論づけた。
上述の通り、概ね全接種が登録集積されていると考えられ、有害事象の自発報告及び「多様な
症状」発現時のフォローアップの実施も徹底されていた。すべての被接種者の登録により本剤の
被接種者全例を把握し、本剤接種と時間的に関連して「多様な症状」を発現し副作用疑いとして
報告された症例を特定し、その症例のフォローアップをより確実に実施するという本活動の目的
は達成されたと考えられる。これには本活動実施に合意し、多大な負担にもかかわらず、被接種
者への事前説明や登録作業・自発報告の徹底及びフォローアップの徹底に尽力した医師の協力が
大きく寄与したと考えられる。被接種者においても、被接種者情報の登録や各接種回の情報入力
に対し多大な協力が得られた。
2023 年 4 月 1 日から本剤は定期接種ワクチンの対象になっており、定期接種制度の下、現在の
医療現場では以下のような安全監視が強化されている。
・適正使用の推進:HPV ワクチンや接種後に生じた症状の診療に関する情報提供及び適正使用
の徹底化
・症例の把握:自治体による接種記録の保持、HPV ワクチンの接種対象者等に対する必要な情
報提供と聞き取り(HPV ワクチン予診票、母子健康手帳、健康保険証、住民票、運転免許証、マ
イナンバーカードなど)の徹底
・症例の追跡、報告:医療機関や医師会等の連携、地域連携による相談支援体制や医療体制の
確保、及び予防接種副反応疑い報告の徹底(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000901221.pdf)
・副作用集積、検討:本剤も含めた HPV ワクチンの副反応検討部会等での継続的な検討及び検
討資料の公開による情報発信
医療現場では、このような状況にあることから、今後は通常のワクチンにおける安全性監視活
動を実施していくこととする。
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