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資料2-10-2 シルガード9懸濁筋注シリンジ全例登録による強化安全監視活動最終報告書[1.9MB] (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/newpage_00106.html
出典情報 厚生科学審議会・薬事審議会(合同開催) 予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(第102回 7/29)医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和6年度第4回 7/29)(合同開催)《厚生労働省》
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れらは臨床所見に関する医学的合意が広く得られていることから、「多様な症状」に代わる疾患と
して選択された。2015年11月に EMA は、CRPS 及び POTS について本剤の集積症例情報も含むレ
ビューを行った結果、ワクチンを接種した若年女性集団におけるこれらの事象の発症割合が、過
少報告の可能性を考慮したとしても、10~19歳の一般集団で予測される割合と異なるというエビ
デンスはなく、「HPV ワクチンにより引き起こされたことを裏付けるエビデンスはなかった」と
結論づけた。これを受け、欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会(CHMP)は、これまでに得られてい
る情報から CRPS 及び POTS が HPV ワクチンによって引き起こされることを裏付けるエビデン
スはないということに合意した。CHMP 及び PRAC は、HPV ワクチン(2価/4価/9価の HPV ワ
クチン)のベネフィット・リスクバランスが依然として良好であることを確認し、販売承認の維
持を推奨している。
このような検討も踏まえ、本剤の審査過程では認められたベネフィットを踏まえると安全性は許
容可能と判断されていた。
一方で、2価/4価の HPV ワクチンにおいては様々な症状を発現した症例が複数の医療機関を受診
した結果、医療機関から報告された副作用情報を特定の被接種者に紐づけて適切に把握、追跡する
こ と が 困 難 な 状 況 が あ っ た こ と か ら 、 本 剤 の 審 査 時 の 検 討 に お い て
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12438.html)、副作用情報を入手した際にその症例を特定し紐付
けできるようにするため、承認後の一定期間は接種された全例を把握することが可能となる方策を
検討すべきであると判断され、本剤の承認条件である医薬品リスク管理計画書(以下、RMP)にて、
全例登録による強化安全監視活動(以下、本活動)の実施が規定された。
このような経緯から、本活動はすべての被接種者を登録し既往歴を含む背景情報を入力可能なシ
ステムを構築することにより、少なくとも販売開始後2年間における本剤の被接種者全例を把握し、
この全例登録システムにより、本剤接種と時間的に関連して「多様な症状」が発現し副作用疑いと
して報告された症例を特定し、その症例を追跡することで本剤の被接種者集団全体における「多様
な症状」の発現状況を把握することを目的として実施した。
言い換えると、本活動は、全被接種者を登録することで、
「多様な症状」と考えられる有害事象を
発現した症例を特定し、可能な限り回復又は治療不要となるまで追跡して情報収集できる体制を整
え、被接種者集団全体における「多様な症状」の発現状況について確実に把握、理解しようとする
ものである。

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全例登録による強化安全監視活動の実施方法
以下、2.1~2.3の手順により、被接種者の登録及び有害事象の観察を行った。

2.1

医療機関への納入前に実施する活動内容の事前説明、及び協力依頼

納入が予定される医療機関の接種医に対して本活動の目的、内容を説明し、本活動の主旨に理解
を得た上で、個人情報登録に関する同意取得について被接種者に事前説明が必要であることに合意

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