個人情報保護法解釈の混迷の原因を踏まえた立法
２．保護と利用のバランス論からの脱却
調整法理の形成に向かうところのない保護と利用のバランス論は、患者
保護派と二次利用促進派の裸の価値判断がぶつかり合うだけの出口のない
不毛な論争である。
個人データの守秘が、内心の自由に関わる場合は比較衡量自体が妥当し
ない。

＊「要配慮個人情報」に「病歴」をいれたことの評価
特定のカテゴリに該当するか否かの定義上の問題だけではなく、それが
義務においてどう規定され、どのような法的効果となり、それがどのよう
に実質的な患者保護につながり、どのような医療現場での弊害につながっ
たか。特に公的部門においてどの程度の患者保護効果があったのか。一方
で医療データ利活用にどれだけの副作用があったかの検証をするべき。
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