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資料1-2-4診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (24 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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52 混合性結合組織病
○ 概要
1.概要
混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)は膠原病重複症候群の中の一病型に分類
され、以下の二つの特徴を持つ全身性疾患である。
第一は、全身性エリテマトーデス(SLE)を思わせる臨床所見、全身性強皮症を思わせる臨床所見、及び、
多発性筋炎を思わせる臨床/皮膚筋炎などに認められる臨床症候や検査所見が、同一患者に同時にある
いは経過とともに認められる。第二は混在し、血清中に抗 U1-RNP(ribonucleoprotein)抗体が、高い抗体価
で検出される疾患である。
2.原因
明確な原因は特定されていない。MCTD は全身性自己免疫疾患の一つであり、免疫異常のある。明確な
原因の追求は特定されていないが病因解明への道と考えられている。、疾患に特徴的な免疫異常は、高
力価に認められる抗 U1-RNP 抗体であるが、同抗体産生。同抗体の産生は抗原刺激 HLA による拘束され
ることが明らかとされてきた。これより知られ、遺伝的な素因が関係するとともに、一部のウイルス感染など
環境要因の関与がも推測されている。
3.症状
レイノー現象が必発大半の症例である見られる。MCTD ではレイノー現象と「手指または手背の腫脹」が、
いつまでも長く持続することが特徴的である。このためこれらの症状は、MCTD に特徴的な共通症状として
重視され、多くの例での初発症状となっている。
SLEMCTD に特徴的な所見として、肺動脈性肺高血圧症、無菌性髄膜炎、三叉神経障害が挙げられる。
肺動脈性肺高血圧症は、10-50%に認められ、重篤な病態であり、早期に発見して適切な治療が必要とな
る。MCTD と診断されたら、肺動脈性肺高血圧症の有無について心臓超音波検査や右心カテーテル検査
などを行う。三叉神経障害は三叉神経 II 枝又は III 枝のしびれ感を主体とした症状で、MCTD の約 10%に
みられる。無菌性髄膜炎も本症では約 10%にみられ、原疾患の活動性に伴うものと非ステロイド抗炎症薬
(NSAIDs)などの薬剤に起因するものがある。ただし、特徴的な臓器病変については十分な鑑別診断を要
する。たとえば、無菌性髄膜炎をきたす疾患として高頻度な感染性髄膜炎(主にウイルス性)、薬剤性髄膜
炎、腫瘍関連髄膜炎などを十分に鑑別する。鑑別すべき疾患は、患者により異なり、鑑別不十分と考えら
れる際には専門医に速やかに相談すること。
全身性エリテマトーデス、全身性強皮症及び多発性筋炎/皮膚筋炎の3疾患にみられる臨床症状症候あ
るいは検査所見が同時にあるいは経過とともに混在して認められる。これらは一括して混合所見と呼ばれ
る。混合所見の中で頻度の高いものは、1) 多関節炎多発関節炎、2) 白血球減少、3) 手指に限局した皮
膚硬化、4) 筋力低下、5) 筋電図における筋原性異常所見、6) 間質性肺機能障害疾患、などである。な
お、小児の MCTD は初発時には混合所見は乏しいことが多く、診断においては成人と異なった判断が必要
である。

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