よむ、つかう、まなぶ。
資料1-2-4診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (44 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
56 ベーチェット病
○ 概要
1.概要
口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼のぶどう膜炎、外陰部潰瘍を主症状とし、急性炎症性発作を繰り
返すことを特徴とする。
2.原因
病因はいまだ不明であるが、本病は特定の内的遺伝要因のもと素因に何らかの外的環境要因が作用して
発症する多因子疾患と考えられている。本病遺伝素因の中では、人種を超えて超え HLA-B51 抗原と顕著に
の強く相関することが知られており、、近年、免疫機能分子をコードする多数の疾患感受性遺伝子が同定され
ている。
本病の疾患感受性を規定している遺伝要因の少なくとも一つは、HLA-B51 対立遺伝子であると考えられる。
3. 症状
(1)主症状
ア 口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍
境界鮮明な浅い有痛性潰瘍で、口唇粘膜、頬粘膜、舌、更に歯肉などの口腔粘膜に出現する。初発症
状のことが多く、再発を繰り返し、ほぼ必発である。
イ 皮膚症状
下腿に好発する結節性紅斑、皮下の血栓性静脈炎、顔面、頚部、背部などにみられる毛嚢炎様皮疹又
は痤瘡様皮疹など。
ウ 眼症状
両眼性に侵されるぶどう膜炎が主体。症状は再発性、発作性に生じ、結膜充血、眼痛、視力低下、視野
障害などを来す。
エ 外陰部潰瘍
有痛性の境界鮮明なアフタ性潰瘍で、男性では陰嚢、陰茎、女性では大小陰唇に好発する。
(2)副症状
関節炎関節炎、精巣上体炎、消化器病変、血管病変及び中枢神経病変がある。関節炎および関節痛の
頻度は 50%を越え、それ以外の副症状の出現頻度は多くないものの、特に腸管型、血管型、神経型ベー
チェット病は生命に脅威をもたらしうる警戒すべきものであり、特殊病型に分類されている。関節炎、副睾丸
炎、消化器病変、血管病変及び中枢神経病変がある。
消化器病変は典型的には回盲部潰瘍で、炎症性腸疾患との鑑別がしばしば問題になる。血管病変は動
静脈系、肺血管系に分布し、動脈瘤や動・静脈血栓を来す。中枢神経病変は、髄膜炎、脳幹脳炎を発症す
る急性型と、進行性の小脳症状や認知症などの精神症状をきたす慢性進行型に大別される。
4.治療法
(1)生活指導
齲歯予防などの口腔内ケア。疲労、ストレスの回避。
(2)薬物治療
①眼症状:軽度の前眼部発作時は副腎皮質ステロイドと散瞳薬の点眼を用いる。重度用い、重症の前眼
- 44-
○ 概要
1.概要
口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼のぶどう膜炎、外陰部潰瘍を主症状とし、急性炎症性発作を繰り
返すことを特徴とする。
2.原因
病因はいまだ不明であるが、本病は特定の内的遺伝要因のもと素因に何らかの外的環境要因が作用して
発症する多因子疾患と考えられている。本病遺伝素因の中では、人種を超えて超え HLA-B51 抗原と顕著に
の強く相関することが知られており、、近年、免疫機能分子をコードする多数の疾患感受性遺伝子が同定され
ている。
本病の疾患感受性を規定している遺伝要因の少なくとも一つは、HLA-B51 対立遺伝子であると考えられる。
3. 症状
(1)主症状
ア 口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍
境界鮮明な浅い有痛性潰瘍で、口唇粘膜、頬粘膜、舌、更に歯肉などの口腔粘膜に出現する。初発症
状のことが多く、再発を繰り返し、ほぼ必発である。
イ 皮膚症状
下腿に好発する結節性紅斑、皮下の血栓性静脈炎、顔面、頚部、背部などにみられる毛嚢炎様皮疹又
は痤瘡様皮疹など。
ウ 眼症状
両眼性に侵されるぶどう膜炎が主体。症状は再発性、発作性に生じ、結膜充血、眼痛、視力低下、視野
障害などを来す。
エ 外陰部潰瘍
有痛性の境界鮮明なアフタ性潰瘍で、男性では陰嚢、陰茎、女性では大小陰唇に好発する。
(2)副症状
関節炎関節炎、精巣上体炎、消化器病変、血管病変及び中枢神経病変がある。関節炎および関節痛の
頻度は 50%を越え、それ以外の副症状の出現頻度は多くないものの、特に腸管型、血管型、神経型ベー
チェット病は生命に脅威をもたらしうる警戒すべきものであり、特殊病型に分類されている。関節炎、副睾丸
炎、消化器病変、血管病変及び中枢神経病変がある。
消化器病変は典型的には回盲部潰瘍で、炎症性腸疾患との鑑別がしばしば問題になる。血管病変は動
静脈系、肺血管系に分布し、動脈瘤や動・静脈血栓を来す。中枢神経病変は、髄膜炎、脳幹脳炎を発症す
る急性型と、進行性の小脳症状や認知症などの精神症状をきたす慢性進行型に大別される。
4.治療法
(1)生活指導
齲歯予防などの口腔内ケア。疲労、ストレスの回避。
(2)薬物治療
①眼症状:軽度の前眼部発作時は副腎皮質ステロイドと散瞳薬の点眼を用いる。重度用い、重症の前眼
- 44-