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参考資料3 NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書 (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30725.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会 NIPT等の出生前検査に関する専門委員会(第8回 2/2)《厚生労働省》
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第8回 NIPT 等の出生前検査に関する専門委員会

参考

令和5年2月2日

資料3

Ⅳ 出生前検査に係る倫理的・社会的課題
1 出生前検査の意義
〇 出生前検査については、妊婦及びそのパートナーが、出生前に胎児の疾患
の有無等を把握することで、
・ 子宮内での治療、あるいは出生後の早期の治療につなげることができる
・ 疾患に対応できる適切な周産期医療施設を選ぶことができ、緊急搬送や
母子分離を回避することができる
・ 妊婦等が、生まれてくる子どもの疾患を早期に受容し、疾患や障害に詳し
い専門家やピア(仲間、ここでは当事者同士を意味する)サポーター等によ
る寄り添った支援を受けながら出生後の生活の準備を行うことができる
という意義がある。
〇 その反面、出生前検査については、次のような倫理的・社会的課題が存在
すると考えられてきた。
2 出生前検査の倫理的・社会的課題
⑴ 我が国における人工妊娠中絶
〇 我が国では、母体保護法上、胎児が疾患や障害を有していることは、人工
妊娠中絶の理由として認められていない。ただし、妊婦の身体的又は経済
的理由により母体の健康を著しく害する恐れがある場合には、人工妊娠中
絶の実施が可能である。
〇 出生前検査により胎児が先天性疾患等を抱えている可能性があると判明
した場合、十分な情報の提供や検査についての説明、ピアサポートなどの
支援が得られないため、もしくは親自身が大きな困難を感じた場合は、母体
保護法が規定する身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害する
恐れがある場合等に該当するものとして妊婦及びそのパートナーが人工妊
娠中絶を選択する可能性がある。
○ 妊娠・生殖に係る営為は、本来、妊婦自身、あるいは妊婦とそのパートナ
ーにとって、高度に私的(プライベート)な問題であり、特に妊婦にとって自
らの身体に直接関わる営為であるため、妊婦等の自由意思が尊重されるこ
とが重要である。併せて妊娠・生殖に係る営為は、社会の構成員を作り出す
公的(パブリック)な側面もあり、生殖に対する社会の姿勢として、妊婦の身
体の安全とともに、胎児の利益を配慮する視点もまた必要である。
○ 出生前検査により胎児に先天性疾患等が判明した際に妊婦等が意思決
定を行うにあたって、医師から人工妊娠中絶を勧めていると捉えられる発言、
逆に産んで育てるという選択肢を勧めているような発言があり、医師の考え
方が妊婦等の自由な意思決定に少なからず影響を与えているのでは、との

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