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令和6年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について (27 ページ)

公開元URL https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R6kami/R06_kami_cyber_jousei.pdf
出典情報 令和6年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(9/19)《警察庁》
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(2) サイバー特別捜査部への発展的改組と今後の展望
令和6年4月、サイバー特別捜査隊が発展的に改組され、新たに「サイバー
特別捜査部」が設置されるとともに、その下に企画分析課と特別捜査課が置か
れた。その結果、サイバー特別捜査部は、定員 129 名、情報技術解析部門の解
析担当職員等の併任者を併せて総勢約 300 人強の体制となり、捜査はもとよ
り、重大サイバー事案の対処に必要な情報の収集、整理及び事案横断的な分析
等を行う体制が強化された(図表 22)。
これは、都道府県警察が捜査により得た膨大な情報をサイバー特別捜査部に
集約し、同部が、外国捜査機関等との情報交換や独自の捜査により得た情報と
あわせて高度な分析・解析を行うことにより、犯罪グループの中枢被疑者の特
定や実態解明等を一層推進するためのものである。
【図表 22:サイバー特別捜査部への発展的改組】

例えば、令和4年から5年にかけて全国で発生したインターネットバンキン
グに係る不正送金事件に係る捜査においては、関係警察による捜査を通じて得
られた情報をサイバー特別捜査部が集約・分析するなどした結果、事案の全体
像の解明や犯行グループの指示役とみられる人物の特定・逮捕に至った。本件
は、サイバー特別捜査部が逮捕状の発付を得て被疑者を逮捕した初めての事件
であるとともに、サイバー特別捜査部の高度な情報集約・分析機能が発揮され
た事例である(第2部2(2)参照)。
また、海外の DDoS 攻撃ウェブサービスを利用した国内の DDoS 攻撃事案
について、サイバー特別捜査部が外国捜査機関から提供を受けた情報を精査し
た結果、被疑者を特定・逮捕した(令和6年8月)。本件は、EUROPOL 主導
の国際共同捜査への参画が国内被疑者の検挙に結びついた初の事例である。

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