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医療政策会議報告書 (26 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/010622.html
出典情報 医療政策会議報告書 公表(4/20)《日本医師会》
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第 3 章:日本の医療政策、そのベクトルをパンデミックの渦中に考える

図表 4 オプジーボに見る内生的医療制仮説

出所:慶應義塾大学健康マネジメント研究科・医療経済評価人材育成プログラム設立記念
フォーラム(2020 年 2 月 15 日)における発表時に使用した資料
図表 4

図表 5 医療政策の制度的枠組み

出所:『医療年金問題の考え方――再分配政策の政治経済学Ⅲ』(2006)、86 頁
図表 5

オプジーボの問題もあったが、オプジーボで財政が破

を見てもらいたい。

綻するという報道の勢いが増せば、オプジーボの価格を

普通の財・サービスは、市場において取引がなされ、

下げる政策を実現させる世論が形成され、解釈器(執行

需給のバランスがとれて均衡が達成され、総額が決まる。

部)は、それを実現できるようになる(図表 4)。

ところが、医療の場合は、ミクロの市場では医師と患者

そういう力学が働いていると考えると、高度経済成長

の間で、情報の非対称性もあり、売手独占市場が形成さ

期に作られていた諸々の医療政策、それは、法律が立案

れやすい(相手の支払い能力に応じて料金を変える善意

され成立に至る政策形成過程を含めて、なにがしかの変

の医師が存在し得たのも、価格操作を行うことができる

化が求められてきたことになるとも考えられる。図表 5

独占市場ゆえ)。多くの国ではそうした市場を作らず、一

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