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医療政策会議報告書 (5 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/010622.html
出典情報 医療政策会議報告書 公表(4/20)《日本医師会》
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序 章

この2 年、パンデミックと
政治の変化を経験して
権丈 善一(慶應義塾大学商学部教授)
2020 年 11 月 13 日に中川会長による挨拶の後、
「新し

【以下、「▽▽▽」から「△△△」まで引用】

い時代に社会保障と経済はどう変わるのか」の諮問を受

▽▽▽

けた。その後都合 5 回にわたる討議を重ねている。

医療・介護に関する基本認識

社会保障と経済の変化の方向性と医療政策会議が考え
るあり得べき姿については、これまでの医療政策会議の

地域医療構想+地域包括ケア=車の両輪

中で長く検討し続けてきた。特に、前期の医療政策会議

・‌地域医療構想は、
「質の高い効率的な医療提供体制を目

では、委員の間でいくつもの最大公約数的な見解を得る

指す」ものである。そして、地域医療構想をはじめと

ことができており、平成 30・令和元年度報告書「序章

する提供体制の改革は、
「現在の医療とは異なる質の高

医療政策会議における共通基本認識」にまとめていた。

いサービスを効率的に提供1」するためのものであり、

前期の医療政策会議報告書から 2 年が経つ。その間、

「患者の視点に立って、どの地域の患者も、その状態像

まさに、会長からの諮問にあるように「新しい時代」が

に即した適切な医療を適切な場所で受けられることを

到来した。

目指すもの2」である。

特質すべき時代を画する出来事として、少なくとも 2

…略…
かかりつけ機能の強化は医療・介護一体改革の要

つを挙げなければならないであろう。新型コロナウイル
ス感染症によるパンデミック、および他の先進諸国のみ

2013 年 8 月 8 日、日本医師会と四病院団体協議会が共

ならず、日本の政治の方からも、いわゆる「新自由主義」

同でとりまとめた「医療提供体制のあり方」より

見直しの声が上がるようになったことである。

「かかりつけ医機能」

新型コロナウイルス感染症は、日本の医療に衝撃を与

・‌かかりつけ医は、日常行う診療においては、患者の生

えた。その衝撃は、平成 30・令和元年度報告書にまとめ

活背景を把握し、適切な診療及び保健指導を行い、自

られていた、医療政策会議が求める医療のあり方に関し

己の専門性を超えて診療や指導を行えない場合には、

て、政策ベクトルのスカラーの強化を求めるものであっ

地域の医師、
医療機関等と協力して解決策を提供する。
・‌かかりつけ医は、自己の診療時間外も患者にとって最

た。そうした、政策ベクトルを確認できる文章を、平成
医療政策会議における共

善の医療が継続されるよう、地域の医師、医療機関等

通基本認識」から引用しておこう(脚注も前報告書によ

と必要な情報を共有し、お互いに協力して休日や夜間

る)。

も患者に対応できる体制を構築する。

30・令和元年度報告書「序章

・‌かかりつけ医は、日常行う診療のほかに、地域住民と
の信頼関係を構築し、健康相談、健診・がん検診、母
子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域にお
ける医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に

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社会保障制度改革国民会議(2013 年 8 月)。
医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会第 1 次報告(2015 年 6 月)。

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